夏のヨーロッパの日が長いのはなぜ?夜9時でも明るい理由を解説

夏のヨーロッパの日が長いのはなぜ?_表紙 ヨーロッパ

 こんにちは。ズッキーです。

 6月に夫婦でオランダに行ったのですが、夜の9時を過ぎてもまだ太陽が出ていることに、妻が驚いていました。私も初めて夏のイタリアに行った時は、夜まで明るくてびっくり仰天したのを覚えています。

 日本でも、夏に日が長いのは東京より札幌の方ですが、ヨーロッパではこの現象がさらに極端に起こります。

 オランダで、妻が「遅い時間まで明るすぎて時間感覚が狂う」と言っていたので、「緯度が高いんだから当たり前だよ」と偉そうに言っていました。

 でも

「なぜ、緯度が高いだけでこんなにも極端に日の長さが変わるの?」

と聞かれると、うまく説明できないので、内心では、

「さらに突っ込んで訊きませんように(ノ゚ロ゚)ノ<祈祈祈祈」

と祈っていました。

 帰国後、妻に知ったかぶりをできるように、地球儀を眺めながらウンウン悩んだ結果、その原因は地軸の傾きにあることがわかりました。これに加えて、サマータイム標準時子午線も関係しているようです。

 難しく聞こえますが、頑張ってわかりやすく解説します!

日の長さの疑問
  • なぜ夏のヨーロッパの日は長いのか?
    • なぜ地軸の傾きがあると、日の長さが変わるの?
    • サマータイムとの関係って?
    • 標準時子午線も関係する?

 

 

なぜヨーロッパの日照時間は日本より極端なのか?

ヨーロッパ都市の日の出・日の入り時刻

 まずは、実際にヨーロッパの方が日照時間が長いのかを確認しましょう。

 夏至の日の出・日の入り時間を比較してみました。

日の出時刻日の入り時刻日照時間
ヘルシンキ3:5522:5118.93 h
アムステルダム5:1922:0716.80 h
ファドゥーツ5:2721:2215.92 h
ローマ5:3620:4915.22 h
札幌3:5619:1815.37 h
東京4:2619:0114.58 h
沖縄5:3819:2513.78 h
2025.6.21の日の出・日の入り時刻のデータはsunrise.maplogs.comより取得

 この表を見ると、次のことがわかります。

  • ヨーロッパは日本より平均的に日照時間が長い
  • 日照時間は、札幌>ローマ
  • 日の出・日の入りの時間は、札幌よりローマの方が遅い

 

ヨーロッパ都市の緯度

 次に緯度について見ていきます。

緯度(北緯)日照時間
ヘルシンキ60.1818.93 h
アムステルダム52.3716.80 h
ファドゥーツ47.1415.92 h
ローマ41.8915.22 h
札幌43.0615.37 h
東京35.6814.58 h
沖縄26.3313.78 h

 この表と1つ前の表から、次のことがわかります。

  • ヨーロッパの緯度は日本より平均的に高い
  • 日照時間は緯度によって決まっていそう
  • 日の出・日の入り時刻は緯度以外の要因が絡んでいる(札幌 vs. ローマ)

 

地軸の傾きが昼の長さを決める

地球の公転と季節の関係

 日照時間は緯度で決まります。

 そして、その原因は地球が傾いていることです。地軸(地球の南北方向)は、公転軸(公転面に対して垂直な軸)に対して、23.4度傾いています。

 そして、この地軸の傾きは、日照条件に偏りを生みます。

 つまり、太陽からの光の届き方に勾配ができます。これが、地球に季節がある理由です。

 夏の時期、北半球全体が太陽の方向を向く(傾く)ことで、北半球は多くの日光を受け取るようになります。

 

緯度ごとに異なる日の長さ

 緯度が高くなるほど日が長くなるのは、この「地軸の傾き」と「地球の自転」の組み合わせによるものです。

 それでは、夏の時期に注目して、緯度による日の長さの違いを詳しく見てみましょう。

 地球は自転しており、太陽の光が当たる面が昼、当たらない面が夜になっています。

 ここに経線を引いてみましょう。

 基本的に、同じ経線(南北の線)上にある地点は、同じタイムゾーン(等時帯)の中にあります。

 それを頭に置いた上で、図をご覧ください。

 地軸が太陽の方向に傾いているせいで、同じ経度でも、北側は太陽の当たる面に入っている一方で、南側は太陽が当たらない面に残っています。地球は自転しているので、北側から夜が明けていく状態です。

 

 今度は、緯度による、日照時間を詳しく見るために、緯度ごとに地球を輪切りにしてみます。

 この輪切りの円の円周は、その緯度の地点が24時間かけて回る自転の軌道を表しています。そして、太陽からの光が当たる部分が「昼」、光が当たらない部分が「夜」です。

 下の図のように、北半球の夏の時期には、北へ行くほど(緯度が高くなるほど)、自転軌道のうち太陽の光が当たっている部分(昼の長さ)が長くなっていることが視覚的にわかります。

 輪切りの円周を24時間とすると、光が当たっている弧の長さが、その地点の日照時間の割合に相当します。

 図から、緯度が高くなるほど、夏の日照時間が長くなり、夜の時間が極端に短くなることが示されました。特に高緯度では、夜の部分が極端に短くなり、白夜に近い現象が起きていることも見て取れます。

ポイント

緯度が高くなるほど、夏の日昇時間が長くなる!

 

 

 ただ、日の出・日の入り時刻に関しては、他の要因も関係しているようです。

日の出・日の入り時刻に影響する要因

 夏至の日の長さは緯度で決まる一方、日の出・日の入り時刻は、緯度以外の要因が絡んでいるため、札幌の日照時間の方が長いのに、ローマの方が日昇・日没時刻が遅いという不思議な現象が起きていました。

 その要因は、2つあります。

  • サマータイム
  • 標準時子午線からの方角

 

 

サマータイム

 1つ目は、サマータイムです。

 ヨーロッパでは、サマータイムという制度を導入しています。これは、夏の日照時間を有効に使うために導入された制度です。

 例えば、札幌の夏至の日の出時刻は、3:56でした。学校の始業時間が8:30くらい、仕事の始業時間が8:30〜9:00が一般的なことを考えると、この時間に起きて活動する人はあまり多くないと思います。

 対して、日の入り時刻は、19:18です。この時間は、まだ多くの人は活動時間ですよね。19時にベッドに入る人もそれほど多くはないと思います。

 そこで、ヨーロッパでは、夏の間、時計を1時間進めることにしました。

 これにより、多くの人が寝ている早朝の明るい時間を夕方に移すことができ、照明や電力消費の節約、そして夕方のレジャー時間の確保に役立つと考えられています。

 ヨーロッパに行くまでは考えたこともない発想だったので、とても面白いですね。

ポイント

サマータイムで、ヨーロッパでは日の出・日の入りが1時間遅くなる!

 

標準時子午線からの方角

 もう一つの要因が、標準時子午線の存在です。

 世界中の国々は、ロンドンの本子午線を中心として、15度ごと(360°÷24時間=15°/時間)に区切られた標準時子午線を設定して、時間を世界基準で合わせています。

 日本では、東経135度の線を標準時子午線としています。時計としては、この子午線に合わせているわけです。

 実際には、同じ標準時子午線を基準にする地域内(同じ時刻帯)では、東に行くほど、日の出・日の入りの時刻が早くなります。

 これは、太陽が東から昇り、西に沈むためです。

 たとえば、緯度の近い横浜と京都を比較してみましょう。

日の出日の入り
横浜4:2619:00
京都4:4319:14

 近い緯度で比較しても、東西で、日の出・日の入り時刻に差が出ることがわかります。

 

 元のローマと札幌を比較すると、ローマはイタリアの標準時子午線の西側に、札幌は日本の標準時子午線の東側にあるため、ローマの方が日の出・日の入りの時間が遅くなります。

ポイント

国ごとの標準時子午線との位置関係で、日の出・日の入り時刻は前後にズレる!

 

 

冬のヨーロッパで日が極端に短い理由

 夏と逆で、冬のヨーロッパはとても日が短いです。

 ちょうど、北半球が夏の時期の南半球を同じ状態です。地軸が23.4度傾いていることで、北半球に光が当たりにくくなることで起こります。

 

 

まとめ

 いかがでしたか?

結論
  • 夏の日の長さは、緯度が高くなるほど長くなる(冬は逆に短くなる)
  • 日の出・日の入り時刻は、サマータイムや子午線からの方角の影響も受ける

 この夏の日の長さが極端に進むと、白夜になります(太陽が一日中沈まない現象)。白夜と極夜(太陽が一日中昇らない現象)については、23.4度の地軸の傾きがさらに如実に影響します。

 詳しくは、別記事「【図解】白夜と極夜の仕組みと期間を解説|沈まない太陽と昇らない太陽」で解説していますので、ご覧ください。

 それでは〜!

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