7月8日。白夜が続くフィンランドで、私は自転車旅を始めました。
自転車のパンク修理すらやったことがないくらいの、自転車旅初心者でした。それでも「まあ、なんとかなるでしょ!」という謎の自信を胸に、フィンランドのOuluを出発しました。
いざ出発ですっ!!!!(๑•̀ㅂ•́)و
旅は、自分との戦いです。初日の最大の敵は………
………朝でした。
朝はまぶたが仕事をしてくれない
7月8日朝。
……寝坊しました。( ‘ᴗ’ )و
「朝早く出発するぞ!」と前日から意気込んでいたにもかかわらず、目覚まし時計が全力で鳴っても、私のまぶたはなぜか開かず……安定の寝坊で始まりました。人に迷惑をかけないと思ったら、平気で寝坊しちゃうのが、私の唯一の欠点です。本当に困ったまぶたさんですね。
1〜2時間の友達の遅刻には寛容な私ですが、自分の旅で、初っ端から遅刻してしまったわけです。
まあ、誰にも迷惑はかからないので、大丈夫なはず。
ここから、スーパーに行きました。この後の旅の行方を左右する、重要な食料調達です。
スーパーへ:食料品調達

ライ麦パン(500g)×2(6食分)とハムとトマトを買いました。水分は家の水道でたっぷり汲んできたので、十分にあります。
ライ麦パンは、サワーライ(サワー酵母を使ったライ麦のパン種)を使ったFazerの酸っぱいパンです。おそらく日本人が一般に思うライ麦パンよりパサパサして、酸っぱいです。私も最初食べたときは「すっぺ!」となりました。日本人留学生で好んで食べている人はあまりいなかったイメージです。
おすすめの食べ方はチーズを挟んで焼くことです。チーズの油分がライ麦パンのパサパサと酸味を抑えてくれます。
もちろん、今回は自転車旅行用なので、そのままで食べます。これを選んだ理由としては、普段から食べていたのもありましたが、ライ麦の方が栄養があって、体力を使う旅にはこちらの方がいいのではないかと思ったので買いました。
後から思えば、この時の失敗は、糖分源をパンのみに頼ってしまったことです。しかも、白いパンと比べて、糖分の少なそうなライ麦パンを選んでしまいました。これが後から響いてくることになるとは、この時は思っても見ませんでした。
まさかの30km無駄足! 地図と方向音痴の壮絶バトル

フィンランドのOulu周辺は本当に平坦な地形です。それは建物の屋上などの高いところから見ると、とてもよくわかります。そんなフラットなOuluを私はフラ〜っと出発しました。
まず目指すのは、サンタクロースたちの村があるRovaniemiです。この時は、いつでもリタイアするつもりでいました。なので、どうにでも帰れるRovaniemiをまず目指すことにしたのです。Oulu(の大学周辺Linnanmaa)からRovaniemiまでは220kmくらいで、競技自転車系の私の友達なら、たぶん半日くらいで行ける距離です。私はそこまで早く走れないので、可能なら2日、難しそうなら3日を見込んで出発しました。

Rovaniemiは、Ouluの北東にあるので、その行き方は、
- Oulu〜Kemi(↑北方向、海岸沿い)、
Kemi〜Rovaniemi(→東方向Kemijokiの川沿い) - Oulu〜Pudäsjärvi(→東方向、内陸)、
Pudäsjärvi〜Rovaniemi(↑北方向、内陸)
の2通りありました。私はRovaniemiにはバスで行ったことがあって、2.の内陸方面のルートは行ったことがありました。そこで、今回は1.の海沿いのルートを取ることにしました。
車道は危ないので、できるだけ自転車道を走ることにしました。Ouluでは、比較的車道と歩道&自転車道がきっちり分けられています。車道を横切らず、車道の下を潜るように歩道&自転車道が整備されているところが多いです。
なので、私は紙の地図を見ながら、Ouluを自転車道に沿って、北に行こうとしていました。
ところが、地図と睨めっこしながら、自信満々に北へ向かっていたはずが、突如現れた「Kiiminki」の看板に自転車を止める羽目に。
「あれれ?」(੭ ᐕ)੭
というのも、Kiiminkiは私の目指している方向と違う方向なのです。
地図を何度見直しても、私はOuluの東の方角に進んでいることになっています。スタート早々、盛大に道を間違えてしまったみたいです。スマホの電池を温存するために、現在地をGPSで確認していなかったことが、こんな裏目に出るとはっ!!
結局、無駄に30kmも道を往復する結果に……。
ようやく「あ、これ、車道に出ないとOuluを出れないやつだ」と悟った時には、すでに体力とメンタルは序盤にして大幅に削られていました。ものすごいスピードで走っている車の横をチンタラ自転車で走るのは、ちょっと怖い気もしますが、車道に出て走り始めました。
今度こそOuluを出発

「フィンランドは右側通行。フィンランドは右側通行」
と頭の中で何度か唱えてから、いざ出発です。逆走したら、大変ですからね。
トラックが通る度に、風に煽られ、ヒーヒー言いながら進みました。この時の目標速度は18〜20km/hでした。速度メーターで速度を確認しながら進むと、どれくらいのペースで漕げばいいのかもわかりやすいです。この速度目標というのは、1時間にどれだけ進めるかの目安になるので、精神的にも結構励みになります。もし、自転車旅をする方がいるなら、必ず速度メーターをつけることをおすすめします。この速度メーターがなかったら、たぶん私は旅の途中で力尽きていたでしょう。それくらい、精神的な支えになってくれたのは間違い無いです。

フィンランドでは、私の家の近くのTokmanniというスーパーに自転車用の速度メーターが売っていたので、私はそれを買いました。つけるのは、説明書に従えば、私のような素人でも簡単につけられます。自転車のホイールのインチ数は決まっているので、タイヤが一回転するたびに距離と速度が測れる仕組みです。
話が脇にそれてしまいました。
その後も1、2回、安全そうな道を行こうとして道に迷ってしまい、その度に元の道に戻ることになりました。そして、なんとか進んでいるうちに「Ii」という看板が見えました。どうやら、今度は正しい道を進めているみたいです。OuluからIiまでは北に約35kmくらいです。頑張れば、2時間かからずにたどり着けるでしょう。
フィンランドの洗礼! 蚊の大群と半狂乱の休憩タイム
ところが、Iiに行く手前の地点で、すでに結構疲れてきてしまいました。
そこで、たまたま道路脇にあった空き地に入って休憩することにしました。
雑草がたくさん生えた空き地で、真ん中に大きな岩がありました。私は、岩に自転車を寄りかからせて、自分は岩の真ん中で休むことにしました。
「ふぅ〜。お尻痛ぇ〜」(*ノ´□`)ノ
自転車に長時間乗ったことがある人なら、ご存知かもしれませんが、自転車旅は、お尻の痛みとの戦いです。
サドルでお尻が削れるみたいに、ジンジンとした痛みが骨まで響きます。さらに、私の場合は1kgのパンや飲み物を入れたリュックを背負っていたので、さらにお尻に重さがかかることになりました。そして、重いリュックのせいで、私の腰も「むり〜」と訴えていました。
自転車旅行で、リュックを背負うのは良くないということは聞いていましたが、こんなにも早く、その意味を知ることになるとは思いませんでした。
「こんなので大丈夫かなあ?」 (;´ρ`)帰りたい
少し不安も感じました。
そんなこんなで、空き地にあった平たい岩はとても良い椅子に見えました。お尻にかかる圧の方向が変われば、休憩になるはずです。
ところが、フラフラと呼び寄せられるかのように、岩に腰を下ろしたその時…。耳元で「プーン……!」という嫌な羽音が聞こえました。次の瞬間には、どこからともなく、蚊がワラワラと湧き出てきました。
「え、お前らどこから出てきたの!?」٩(๏Д⊙`)۶
間もなく、空き地全体が蚊の大群に覆われました。蚊の大群が群れで動いて、見た目は雲のようでした。慌てて虫除けスプレーを取り出し、「悪霊退散!」的な動作で乱射したのですが、全く効果はありません。頭をチクリと刺され、「痛え!痛え!」と奇声を発しながら、私は岩の周りを半狂乱になりながら逃げ惑いました。
フィンランドの蚊は、日本の蚊とは違い、刺されるとメチャクチャ痛いのです。そのせいで、刺されると不快感が半端ないので、その大量発生ぶりも相まって、恐怖すら感じます。

どれだけ逃げ回っても、蚊はブンブンやってきます。休憩しようと空き地に入ったはずなのに、全然休憩できないまま、私は這々の体でその場を去りました。なんとか、口に食糧を突っ込めたことだけが救いでした。。°(°´ᯅ`°)°。
この先、幾度も、休憩の度に蚊柱に襲われることになりました。そのおかげで、私はこの旅で「蚊から逃げ回りながら休憩する」という必殺技を覚えました。蚊がフィンランドほど多くない日本では、まだその必殺技を披露したことがありません。それは良いことですが、せっかく習得した技術が錆びついていくのは、なんだか寂しいような気もします。(;゚Д゚)
白夜の誘惑? 優柔不断な私と終わらないサイクリング
白夜。
それは、北極圏で太陽が夜間も沈まず、明るいせいで、自転車を漕ぎ続けなければいけない時間帯のことです。
▶︎(別記事)一日中、日が沈まない白夜の仕組みについて解説
さて、この日の自転車旅も終盤でした。
無事にIiを通り過ぎ、気がつけば、18時を過ぎ、19時を過ぎ、20時を過ぎ……。私はこの日はキャンプサイトで宿泊しようと何度となく考えましたが、「まだ行けるだろう」とか、「お金かけるのもなあ…」とか、「もうちょっと考えるか」などと考えることを後回しにしているうちに、完全に着地点を見失っていました。
「あれ? どうすればいいんだ??」(˙◁˙)
と迷っている間に、時間は22時になっていました。白夜のせいで、ずっと明るいので、自転車の漕ぎ止め時がわかりません。「暗くなってくれれば、諦めもつくのに!」と太陽を罵りたい気分でした。どうやら、優柔不断な性格と白夜はとても相性がわるいみたいです。
このとき、私は、Simojokiの川沿いを北東に上っていました。Google mapによると、Kemijokiを通るよりもSimojokiを登っていった方が近いみたいなのです。
と、そこで…。
偶然、自然公園のように整備されている場所に辿り着きました。どうやら、Simojokiの釣りスポットのようです。マスなどが釣れるのか、魚の絵が描かれた看板があります。
「もうここしかない」
私は自転車を止めて、そこに宿泊することにしました。ヒトっ子1人いないので、誰にも迷惑をかけることはないでしょう。夕食と歯磨きを一瞬で済ませて、私は川沿いのウッドデッキのようになっている場所に、そのままシートを敷いて、寝袋にくるまって横になりました。その時の私には、最高のベッドのように見えました。_: ( _๑´д`) :_

もうテントを立てるのも、億劫なくらい疲れていたのです。もちろん、猛烈な量の蚊が襲ってきましたが、寝袋に包まることで、回避しました。私は川がザーザー流れる音を聞きながら、1日目を無事終えることができました。
「おしりいた〜い」(৹˃̵﹏˂̵৹)
「かえりた〜い」(৹˃̵﹏˂̵৹)
メモによると、1日目の走行距離は136.10kmだったようです。目標よりかなり進めました! 30kmは余分に進んだ気がしますが、まあ、予行練習ですね、予行練習。いきなり本番走ったら、ドキドキしちゃいますからね。
また、『Kuivaniemi(Ouluから70kmくらい)の地点ではすでにへたばって、「Ouluに帰りたい、帰りたい」と考えていた』と書いてあります。そこから数十kmも進んだのは、たぶん惰性だったのだと思います。本当に帰りたかったんだなあ……。
まとめ
今回の内容をまとめました!
- 「なんとかなるだろう」精神で始まったOuluチャリ旅は、安定の寝坊スタート。
- スタートから道に迷って30km余分に走るという、ポンコツ展開。
- フィンランドの大量の蚊との壮絶な闘いを経験!?
- 白夜に惑わされ、時間がわからなくなりながら、ひたすら自転車を漕ぎました。
- 初日からお尻の悩みと腰の痛みで、もうヘトヘトです〜。
1日目からこれとは、先が思いやられますね!!
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