こんにちは。ズッキーです。
自転車旅2日目。前日の疲労と蚊の猛攻でボロボロの私ですが、今日はついにRovaniemiに到着予定です。……果たして無事にたどり着けるのか?


最悪な目覚め:右肩がボコボコ!
7月9日。目覚めると、右肩がポコポコと腫れあがっていました。
理由はよくわかっていました。

袖をめくると、赤いブツブツが無数にできていました。原因はもちろん蚊です。一晩中、頭の上でブンブン言っていた上、チクチク、チクチクと刺してきていたので、痛くて痒くて眠りがすごく浅くなっていました。それでも寝れたのは、疲労がそれをはるかに凌駕していたからです。
白夜のお日様の元、蚊は一晩中、私の血を吸っていたことになります。おかげで、寝袋で覆いきれていなかった右肩はボッコボコです。よく少年マンガで蜂にボコボコに刺された顔が出てきますが、あのボコボコの顔みたいに、肩が腫れ上がっていました。
そういえば、6月の夏至の頃に友達とコテージ(電気なし、水道なし)に行った時も、蚊がものすごくて、一緒にいた日本人留学生が家に帰ってから数えて、「聞いて! 75箇所も刺されてた!」と教えてくれたことがありました。
この旅2日目は、右肩だけでそれくらい刺されているのではないか、というくらいに腫れていました。
朝から痛いし痒いしで、涙が出てきました。疲れのあまり、テントを立てるのをサボっただけで、まさかこんな惨劇が起こるとは、思ってもみませんでした。
夏のフィンランド、恐ろしい場所です。「か、かえりたい」と心からそう思いました。蚊だけに(スベった気がする)。
この事件があって、私はどんなに疲れていても、次からは絶対にテントを立てようと心に決めました。
地獄のジャリ道:パンクはダメ!絶対! 神頼みの自転車旅
のどかな川沿いの道を上っていくと、景色は木々に囲まれた山(丘)に変わりました。ついでに、舗装されていた道路が、土の道になったり、舗装された道路に戻ったりを繰り返しました。ポツポツと民家があるので、どうにかはなるのでしょうけど、どうにかしないといけない状況に陥りたくはありません。
北海道で道道だと思って安心していたら、突然舗装されていない山の中を通過しないといけなくなるのと同じくらい危なげな道でした(実際は、道道の方がガチな山道なことがある)。

しかも、今走っているのは外国で、乗っているのは自転車です。
「え、この道大丈夫なの?? え、パンクしたら、私詰むけどいいの??」
不安を感じながらも、ここの道にはバスが通っていない(車は時々通る)ので、前に進むしかありません。舗装されていない道で、自転車のタイヤがパンクしないかもとても心配でした。
「不安しか感じない…」
YouTubeで一度パンク修理のやり方をじっくり、しっかり見たとはいえ、未だかつて、1人でパンク修理をしたことはありません。失敗すると、再び空気が抜けてしまうことは友人から聞いていました。自分の未知のパンク修理の才能を信じるほど、私のポンコツレベルは低くありません。
「お願いです。パンクしないでください…。神様、フィンランドの神様、タイヤの神様、おねがいしまあああす!」
いつも持ち歩いているお守りと、存在するかわからないフィンランドの砂利道の神様と、自転車のタイヤの神様に必死に念を送りました。
すでに、昨日から蓄積されているお尻と腰の痛みが効果を発揮しています。不安に追加して、身体が痛みを訴えていて、本当に良いことなしです。
「お願い! 早く終わって〜!!」
私の不安を反映してか、空は曇天。雨が降り出さないかも心配で、本当に不安しかありませんでした。
(なお、この旅で、きちんと舗装されていない道はここだけでした。不幸中の幸い??)
謎の軍施設にビビる
峠を越えて少しいくと、舗装されている綺麗な道に戻りました。ようやく舗装された道に戻り、ホッとしたのも束の間。今度は別の意味で心臓が凍るような看板が目に飛び込んできました。その看板は、親切にも英語でも表記されていました。
「Military…うんたらかんたら……」
どうやら、よく見えませんが、近くにフィンランド軍の軍の施設があるようです。日本でも警察の前を通ると、私は犯罪者に間違えられないかいつも不安に思うタイプです。そんな小心者で不安症の私が、他国の軍の施設の前を通るとなると、「怪しい東洋人スパイが自転車で偵察に来た!」とでも思われないか、不安でたまらなくなってしまいました。
「ひえ〜」
と思いながら、自転車を漕ぐスピードを上げて坂道を下りました。
しばらくいくと、景色はのどかな風景に変わりました。峠を越えたくらいから、空も晴れて、草が青々と輝いています。田んぼはないですが、田園風景と表現したくなるような、のどかな田舎の景色です。古い木の風車もありました。
川も現れて、どうやら道路はKemijoki(ケミ川)と交差したようです。「Rovaniemi」という文字も見えてきました。
景色を見て気分が晴れて、舗装された道路の安心感で、気持ちも上がります。それだけで、Rovaniemiまでの道がとても近いように感じられました。
エネルギー枯渇
順調に進んでいたつもりでしたが、なぜか異変が…。
「あれ? 力が……出ない……?」
自転車を漕ぐ力が弱まっています。なぜか力が出ないのです。身体からどんどん力が抜けていくような、力を吸い取られているような、不思議な感覚でした。
なんとなく、直感を感じました。
「これって、もしかして糖分不足では??」
前の日から糖分源として食べていたのは、ライ麦パンだけです。噛んでも噛んでもあんまり甘くならない、あのパンです。糖分はあるのだろうけど、普通の食パンほどには糖分は感じられません。
力が抜け落ちていく不思議な脱力感を感じながら、なんとか前に進みます。なんといっても、食べ物を買おうにも、まだRovanimemiまでは50km。前に進まねければ、お店にも行けません。
「む、むり〜〜!!」

ヘナヘナと自転車を漕ぐこと、しばらく。ようやっと、Rovaniemiの25kmくらい手前あたりまで来たところで、K-market(フィンランドのスーパー)に出会いました。
「救いの神だ!」
私はいそいそとお店に入り、ドーナッツとジュースを買いました。
ドーナッツにかぶりつき、ジュースを飲むと、身体の中で、糖分がエネルギーに変換されているような感覚におちいりました。
「ち、力だ! 力を感じる…。力が湧いてくるぞっ!!」
ドーナッツを丸呑みにし、自転車に跨ると、私はスーパーの駐車場を出発しました。
「うおおおおおおおおおおおっ!!!」

ジャンプ系マンガの主人公になったつもりで、自転車を漕ぐと、風景が風のように過ぎ去っていきます。身体に力がみなぎり、ドーナッツとジュースの糖分が身体を支配しました。
「こ、これが糖分の力かっ!! あなどれないっ。アドレナリンっ!!」
糖分でテンションがブッ飛び、若干頭がおかしくなっていた感は否めません。
憧れのRovaniemiに到着!
そしてついに、Rovaniemiの端っこに到着しました。
Rovaniemiの町の圏内に入ると、明らかに雰囲気が変わりました。車以外の人の気配がします。なんとなく、人の気配を、人の営みを久しぶりに感じた気がして、ほっとします。
フィンランドで一人で自転車旅をする際に、戦わないといけない相手は、孤独感です。人の気配に触れたくて触れたくて仕方がなくなります。町と町の間が普通に100km離れていたりするので、次のスーパーまで100km離れていることもザラにあります。そこまでの間に人と接することのできる機会はそう多くはありません。
これでRovaniemiに来るのは、3回目ですが、いつもと違う方向から来ると、景色が違っていて、とても新鮮でした。町の違う姿が見えるのも、自転車旅の醍醐味ですね。

完全に町に入ったのは、16時くらいだったと思います。
そして町の中心部に向かう途中で、ずっと行きたかったところに、偶然たどり着きました。
それはRovaniemiの市立図書館(Rovaniemen kaupunginkirjasto)です。
Rovaniemiの教会(Rovaniemi Mother Church)の近くの線路沿いにあるのですが、いつも教会の前を通っていたのに、その存在を知らず、通り過ぎていました。

このロヴァニエミ市立図書館は、フィンランドの有名な建築家Alvar Aalto(アルヴァ・アアルト)が設計したことで有名な図書館です。私は、建築はあまり分かりませんが、建築を見るのは好きなので、ぜひ行きたいと思っていました。
めちゃくちゃ良い建築ですよね。アアルトの建築の特徴は、パッと見では地味なのに、見ているとこだわりが見えてきて、ジワジワと良さが出てくるところだと私は思っています。この図書館も外見が派手だったりするわけではありませんが、細部にこだわりが見えます。なので、スペインのアントニオ・ガウディのように、パッと見て「なんじゃ、ありゃっ!?」という驚きがあるわけではないです。でも、私は結構気に入っています。アアルトの設計では、じんわりとくる不思議な曲線を見られます。
現る! 真夜中の訪問者!?

この日、蚊の対策と糖分が重要だとわかったので、蚊取り線香と糖分源の買い出しをしました。そこで、エネルギーの塊みたいな、ハチミツとドライレーズンを選びました。ハチミツについては、パンにかけることもできますし、お行儀は悪いですが、ハチミツを口の中に直接垂らせば、それだけで糖分補給ができるので、この先重宝しました。
この後は、テントを立てる場所を探すことにしました。Rovaniemiの知り合いはみんな夏休みでRovaniemiを離れていたので、泊めてもらうこともできず、野宿一択でした。
というわけでKemijokiの川沿いに平たい場所を見つけたので、そこに立てることに。無事、テントの設営は完了。ペットボトルの水で歯磨きもして、あとは寝るだけ……の前に。
ブ〜ン。
テントの中に入り込んだ蚊を片っ端から潰していかないといけません。これ以降、毎晩、蚊の退治の時間が設けられました。
「さて、寝るか……」
横になってすぐのこと。
「ijfåewåriq,cåweirmåqcuwprupuråiå,öo uoyirywpwkお。お。。p」
外からわけのわからない声がして、テントをドンドン叩かれました。
「え、え? 何??」
背筋が凍るような思いがして、恐る恐るテントを開けました。ここはテントを立ててはいけない場所だったのでしょうか。
テントのチャックを開けると、明らかに一発どころではないくらい、キマッた感じの顔をしたおっちゃんが見えました。
(あ、よかった。アル中の人だ……いや、全然良くないけど!!)
すると、フィンランドでよく見かけるアル中のおっちゃんが、缶ビール片手に何やら言ってきます。こういう時は下手に英語やフィンランド語を話さない方が良いので、私はとにかく首を振り続けました。
首を振り続けると、言葉が通じないことは伝わったらしく、ブーブー言いながら離れていきます。ほっとした私は、ちょっと怯えながらも、疲れて横になりました。
「これなら、Nordkappに行けるかな〜」
などと考えているうちに、眠りにつきました。
2日目の走行距離
2日目の走行距離は、122.9kmでした。
この日は夜のトラブルのせいで日記を書いていないみたいです。
まとめ
今回の2日目の旅路をまとめました!
- 朝から蚊の大群に襲われ、右肩が悲惨なことに! 2日目にしてテント泊を誓いました。
- 舗装されていないじゃり道に戦慄! パンクに怯え、神頼みの日でした。
- 軍施設にビビり、糖分不足でまさかの「力が出ない」現象を体験。
- ジャンプ漫画主人公ばりの糖分チャージで、驚異の復活を遂げました!
- Rovaniemiに無事到着!アルヴァ・アアルトの図書館を堪能。
- テント泊で蚊と最終決戦! 深夜にはまさかの訪問者が現れました。
2日目もトラブル満載で、本当に先が思いやられますね!
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