フィンランドの森で出会える野生のベリー8種類|味・特徴・食べ方まとめ

フィンランドの森で出会える野生のベリー8種類|味・特徴・食べ方まとめ_表紙 自然

 こんにちは。ズッキーです。

 フィンランドでは、夏になると、マーケット広場がベリーだらけになるほど、ベリーがいっぱい。寒冷なフィンランドで、貴重なビタミン源になります。

 しかも、自然享受権のおかげで、外国人観光客でもベリー摘みを楽しむことができます。私も留学中は手を真っ赤にしながら、ベリーを採っていました。フィンランド人は、夏の短い間に大量のベリーを採り、冷凍保存して冬に食べます。

 でも、観光客が突然現地に行っても、何を採っていいんだか……( ˘•ω•˘ ).。oஇ

 そこで、この記事では、フィンランドの森で出会える野生のベリー8種類を解説します。

 

収穫時期まとめ

 各ベリーの収穫時期の目安をまとめました。もちろん、実りの状況は、年によって異なります。時期の真ん中を狙うのが無難です。

6月7月8月9月10月
ビルベリー7月中旬〜9月上旬
リンゴンベリー8月下旬〜10月
クラウドベリー7月中旬〜8月中旬
ワイルドストロベリー7月中旬〜8月中旬
クロウベリー7月下旬〜10月
フサスグリ8月〜9月
ラズベリー7月下旬〜9月中旬
クランベリー9月下旬〜10月

 フィンランドの森には食べられるベリーが多いですが、初心者は「確実にわかるものだけ」を採るようにしてください。

(▶︎毒は大体舌が教えてくれる!? キノコとフィンランドから始まる毒談義

 フィンランド語ですが、位置情報や地名を入れれば、収穫時期がわかるサイトがあります。

収穫時期がわかるサイト(フィンランド語)

 

フィンランドで見られるベリー

 森でよく出会える順に、フィンランドのベリーを並べてみました。

ビルベリー Mustikka / Juolukka(セイヨウスノキ/クロマメノキ)

ビルベリー Mustikka
ビルベリー Mustikka(セイヨウスノキ)
フィンランド名Mustikka / Juolukka
学名Vaccinium myrtillus / V. uliginosum
和名セイヨウスノキ / クロマメノキ
英名Bilberry / Northern Bilberry
見た目葉の色:緑〜赤色(紅葉)
実の色:青紫色、表面に白い粉あり
草丈:
mustikka: 10〜50cm
/ juolukka: 30〜50cm
特徴収穫時期:7月中旬〜9月上旬
場所:林床(乾燥した森、湿地付近)
酸味や甘味は株によって異なります。
食べ比べてみてください。

 Mustikkaムスティッカ と Juolukkaユオルッカ は、日本人がフィンランドに行って、採集するぶんには、あまり区別がされないので、同じ項目にまとめました。両種ともに、ツツジ科スノキ属の低木です。

 森に採りにいくのは、mustikkaがメインです。

 ビタミンAとビタミンCが豊富で、第二次世界大戦中には、飛行士が薄暗い中でもよく見えるようにと、mustikkaを食べていました。下痢や胃の不調に効くともされています。

 

MustikkaとJuolukkaの違い

収穫したMustikka

 Juolukkaは湿地に生え、背が高く、葉が丸みを帯びているのが特徴。実の見た目はよく似ていますが、果汁が赤くないため、潰れても手や舌に色がつきません。クロマメノキという和名がついていることから察せられるとおり、日本では高山植物として自生。

 一般には、Mustikkaの方が味が濃く、美味しいとされていますが、ベリー狩りのときに少し混ざっても気にはされないと思います。

▶︎北海道の『大雪山』で見られるベリー類(高山植物として)

 

リンゴンベリー Puolukka(コケモモ)

リンゴンベリー Puolukka
リンゴンベリー Puolukka
フィンランド名Puolukka
学名Vaccinium vitis-idaea
和名コケモモ
英名Lingonberry / Cowberry
見た目葉の色:濃い緑(エナメル質)
実の色:赤色
草丈:5〜30cm
特徴収穫時期:8月下旬〜10月
場所:林床
酸っぱい

 酸っぱくて、歯が溶けるんじゃないかと思うときがあります。

 でも、私は好きです。黒酢とか好きなので。

 

 フィンランドの森や林なら、どこにでも生えています。

puolukka
収穫したリンゴンベリー

 mustikkaより人気がないのか、実もたくさん残っています。冷凍したり、ジャムなどにしたりして、お肉などと一緒に食べるとすこぶる美味しいです。

 ただ、発酵を止める酵素が入っていて、ワインにはできないので、注意してください。

 サーミの料理にも使われたりします(▶︎サーミの食文化とは?トナカイと共に生きる北極圏の知恵と伝統料理)。

 

クラウドベリー Muurain

クラウドベリー、Hilla, Lakka, Rubus chamaemorus
未熟でまだ赤くて実が硬いクラウドベリー(Hilla, Rubus chamaemorus
フィンランド名hilla, lakka, valokki, lintti, nevamarja, suomarjaなど
学名Rubus chamaemorus
和名ホロムイイチゴ
英名Cloudberry
見た目葉:緑(五つに放射した葉)
実:オレンジ色(つぶつぶ)
草丈:5〜30cm
特徴収穫時期:7月中旬〜8月中旬
場所:湿地
甘酸っぱい

 フィンランド南部では「lakkaラッカ」、北部では「hillaヒッラ」と呼ぶことが多いです。商品名すらこの2つの名が乱立していて、同じベリーなのか、外国人にはわかりにくくて、「このヤロー(ꐦ°᷄д°᷅)」と思った記憶があります。

Leipäjuustoに生クラウドベリーをかけた様子

 昔、電車の中で、leipäjuusto(もきゅもきゅチーズ)に市場で買ったクラウドベリーをかけて食べていたら、「君はいい食べ方をわかっているね!」と知らないおじさんに褒められました。フィンランドでは、「クラウドベリー × leipäjuusto」は黄金の組み合わせとして、愛されています。

 実がとても潰れやすく繊細なので、扱い注意です。そのため、消費期限も早めです。

 ただ、めちゃくちゃうまいです。好き。

 

クラウドベリーとサーモンベリー

もう少し熟したクラウドベリー(Hilla, Rubus chamaemorus)
まあまあ熟したアラスカのクラウドベリー(Salmon berry, Rubus chamaemorus

 アラスカの先住民の方と一緒に、ベリー狩りをしたことがあるのですが、そのときに“salmonサーモン berryベリー”と呼ばれていたものが、クラウドベリーとやけに似ているなと思っていたら、同じもの(Rubus chamaemorus)でした。

 ベリー類は、その地域に元々利用されていることが多く、地域文化と結びつきが強いので、国や地域によっても呼び方が異なることがよくあります。

 実際、北米の別の地域では、別の植物(Rubus spectabilisなど)をサーモンベリーと呼びます。

  

ワイルドストロベリー Ahomansikka

ワイルドストロベリー Ahomansikka(Fragaria vesca)
ワイルドストロベリー Ahomansikka(Fragaria vesca
フィンランド名Ahomansikka
学名Fragaria vesca
和名エゾヘビイチゴ
英名Wild strawberry
見た目葉:緑(葉の縁はギザギザ)
実:赤色(小さめのイチゴ)
草丈:5〜20cm
特徴収穫時期:7月中旬〜8月中旬
場所:日当たりの良い土地
甘い

 フィンランド語で“ahoアホ”は「(焼畑などで)林間のひらけた草地」、“mansikkaマンシッカ”はイチゴ。

 和名は、エゾヘビイチゴ。

 和名の付け方の問題で、ヘビイチゴとついているだけで、味はイチゴの野生種だと思ってください。同じなのは、サイズ。その実は1〜2cmと小さいです。

 野原が赤くなるという記述が残っているほどですから、かなりの量があったのでしょう。かつては、自分が切り拓いた土地は、自分のものになったそうで、焼畑で切り開いて、その土地にAhomansikkaが実ったそうです。

 今は焼畑が行われないので、Ahomansikkaは減少傾向にあります。

 私が出会ったのは一度だけ。ヘルシンキの岩場にポツンと生えているのを見つけて、口に放り込んだところ、めちゃくちゃ甘くてびっくりしました。犬のオシッコでもかかって栄養満点だったのか、本当に甘かったです。

 

クロウベリー Variksenmarja

ノルウェーのクロウベリー Variksenmarja(Empetrum nigrum
フィンランド名Variksenmarja
学名Empetrum nigrum
和名ガンコウラン
英名Crowberry
見た目葉:針葉樹のような
実:黒
草丈:5〜10cm
特徴収穫時期:7月下旬〜10月中旬
場所:日当たりのよい岩場
甘い
甘さよりざらざらの食感が気になる

 Variksenmarjaヴァリクセンマルヤはそこまで一般的ではないはずですが、私はなぞに遭遇率が高いです。

 味は、あえてたくさん食べたいかと言われると、「いや〜別に」という感じ。あれば、つまむくらい。味は悪くないですが、種のせいか、じゃりじゃりとした食感です。

 ジャムにしたら美味しいのではないかと思います。

アラスカのクロウベリー(Empetrum nigrum

 日本では高山植物。アラスカ、ノルウェー、フィンランドで出会いましたが、木があまり生えていない場所に自生しているイメージです。

 

ここから下のベリーに関して、私は出会ったことがありません。

フサスグリ Punaherukka / Mustaherukka

マーケットで買ったフサスグリ
フィンランド名Punaherukka(赤)
Mustaherukka(黒)
Valkoherukka(白)
学名Ribes 属(Ribes rubrum / Ribes nigrum
和名フサスグリ(アカスグリ/カシス)
英名Currant(Redcurrant / Blackcurrant)
見た目見た目:背の高い低木
実:透明感のある房状の実
特徴収穫時期:8月〜9月
場所:川沿い、森
強烈な酸味

 

ラズベリー Vadelma

フィンランド名Vadelma, Vaapukka
学名Rubus idaeus
和名ヨーロッパキイチゴ
英名Raspberry
見た目葉:3〜5枚の小葉、裏が白い。
実:中が空洞の赤いツブツブの実
草丈:50〜150cm
特徴収穫時期:7月下旬〜9月
場所:日当たりの良い茂み
甘い
フィンランドではキイチゴの葉を乾燥させてお茶(Lehtitee)にすることもある。

 日本でも線路脇などに生えている、キイチゴの仲間。

 かっこよく言えば、ラズベリー。

 

クランベリー Isokarpalo / Pikkukarpalo

フィンランド名Isokarpalo / Pikkukarpalo
学名Vaccinium oxycoccos
和名ツルコケモモ
英名Cranberry
見た目葉:常緑で極小
実:大きな赤い実が実る
草丈:つる性(地を這う)
特徴収穫時期: 9月下旬〜10月
場所:開けた湿地(Suo)
酸っぱい。
秋の霜に当たると、デンプンが糖に変わって甘みが増す

 

フィンランドのベリー類を手にいれる方法

森で手にいれる

 フィンランドでは、自然享受権という権利が認められていて、一部の私有地や採集が禁止されている土地を除いて、外国人でも森でベリー狩りを楽しむことができます。

 クラウドベリーに関しては、湿地に生息するため、収穫する際は、かなり準備が必要です。ラップランドでは収穫ツアーがあるので、知っている人と行く方が安全です。

 

 ヘルシンキ周辺でベリー狩りを楽しみたい場合、Nuuksio国立公園が有名です。私も、ビルベリーやリンゴンベリーを採りに行ったことがあります。

 

 

マーケット

Hakaniemiの野外マーケットの出店で買ったクラウドベリーとフサスグリ

 夏になると、各街のマーケット広場で、ベリー類を売る出店が現れます。

 大きな町であれば、クラウドベリーやほかのベリー類が売られていると思いますので、ぜひ試してみてください。

 

スーパー

 puolukkaを箱買いしたことがあります。たしか20ユーロぐらいだった気がします。

 しかし、写真がない。

 

Alko(酒類専売店)

PuolukkaのMarjakossu(リンゴンベリー果汁でウォッカを割ったもの)
PuolukkaのMarjakossu(リンゴンベリー果汁でウォッカを割ったもの)

 Lakka(クラウドベリー)のリキュールや、Puolukka(リンゴンベリー)のお酒などが売られています。

 

現地での収穫方法

 現地では、ベリー収穫用のスコップ?ベリー収穫器?が売られています。

 私は、お金がないので、素手派です。

 

 注意点は、蚊が多いこと。

 かならず虫よけ対策をしていってください。フィンランドの蚊に刺されると痛いです!(▶︎カ。ーフィンランドの蚊に刺されると痛い理由についてー

 あと、私は、人が近くにいる場所は避けるようにしています。

 

 

まとめ

おすすめ度 遭遇しやすさ
ビルベリー☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
リンゴンベリー☆☆☆★★ ☆☆☆☆☆
クラウドベリー☆☆☆☆☆ ☆☆☆★★
ワイルドストロベリー☆☆☆☆☆ ☆☆★★★
クロウベリー☆☆☆★★ ☆☆☆☆★
フサスグリ☆☆☆★★ ☆☆★★★
ラズベリー☆☆☆☆★ ☆☆☆★★
クランベリー☆☆☆☆★ ☆☆★★★

 とりあえず、ビルベリーから探してみてください。

 一度見つかれば、探さなくても見つかると思います。フィンランドに夏〜秋に行ったときは、ぜひベリー摘みを楽しんでください!

 

参考文献

  • “KOKO PERHEEN LUONTO-OPAS” Juha Laaksonen Gummerus 2002

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