Kp値ってなに?オーロラ予報サイトを完全解説【フィンランド旅行者向け】

Kp値ってなに?オーロラ予報サイトを完全解説|フィンランド旅行者向け!! オーロラ

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 こんにちは。ズッキーです。

 凍えるような寒さの中、闇雲に空を見上げていても、オーロラさんはなかなか現れてくれません。

 「あれ〜、今日もダメかね…」と諦めかけたことはないでしょうか?

 天気予報のように、実は、オーロラにもオーロラ予報があります。 この予報を正しく読みとることができれば、がむしゃらに外に出なくても、オーロラに会える確率をぐわんと高めることができるはずです。

 

 マイナス20度の世界でブルブル震えながら、なんの目印もなく、ただ空を見上げていた、昔の私に教えてあげたいくらいですね。

 

 この記事では、オーロラ予報の鍵となる「Kp値」について、初心者でも分かるように説明していきます。 予報サイトの見方に始まり、「Kp値」以外にチェックすべきことまで、オーロラ観測の成功率を上げるための知識をできる限りお伝えします。

 

Kp値とは?オーロラ予報の基本を初心者向けに解説

 Kp値とは、「地磁気の乱れ」を表す指標で、0〜9の10段階1で表されます。

 と、これだけ言われてもわからないと思います。私もわかりませんでした。なので、オーロラの仕組みについて、できるだけ簡単にサラッと説明します。

 

オーロラとKp値の関係は?なぜ地磁気でオーロラがわかるのか

 Kp値がオーロラの予報に使える理由は、オーロラが放電現象だからです。

 オーロラは、太陽由来のプラズマという粒子が、地球の大気と衝突することで光を放ちます。この時、まるで巨大な蛍光灯のように、数百〜一万ボルトにもなる強い電流が流れます。

フィンランドのOuluで撮影したオーロラの写真。

 電流が流れる場所には磁気が発生するため、オーロラが活発になるほど地球の磁気は大きく乱れます2。この地磁気の乱れを数値化したものがKp値なのです。

 つまり、Kp値を測ることで、オーロラがどのくらい活発になるかを予測できるというわけです。

 

Kp値の見方とオーロラ観測の目安|フィンランドでのKp値は?

 Kp値は、数値が大きいほどオーロラがより低い緯度(南の方)でも見える可能性が高くなります。

Kp値の地理的配置。サイトによって、Kpの線引きの位置が異なるため、あくまでも目安程度に見ていただきたいです
Lights of Vikingsを参考に、Kp値で線を引いたヨーロッパ地図。

 下の表は、フィンランドでのKp値とオーロラ観測の大まかな目安3を示したものです。

Kp値磁気活動オーロラ出現具体的な場所
0〜2穏やか北部の一部のみ
(Kp2で見れるかどうか)
Inariイナリ
Kilpisjärvi
3〜4少し活発北部Rovaniemi
Saariselkä
5〜6磁気嵐中部〜北部Oulu
Taivalkoski
7〜9強い磁気嵐全域Helsinki(?)

 オーロラは強くなるほど、より広い範囲で、よりはっきりと見えるようになります。

【筆者の体験談】 筆者が住んでいたオウル(北極圏より少し南)では、Kp値は最低でも「5」は欲しいと感じました。Kp値が4程度でも見えないことはありませんでしたが、Kp値が5あれば、より良いオーロラが見えるチャンスが高まります。

 

オーロラ予報サイトの活用法【用途別4選】

 より正確なKp値がわかるのは、約3日前からです。

 これは、太陽から放出されたプラズマが地球に届くまでに2〜4日かかるからです。一方で、光は地球まで約8分20秒で届きます。この時間差を利用して、太陽の観測データを元に、この先3日間の地磁気の乱れを大まかに予測できます。

 これより早く、太陽の活動を元にオーロラ予報をしていることもありますが、正確性は高くないようです。でも、オーロラを見に行こうと予定している3日前に教えられても予定の調整も難しいのも事実です。

 そこで、27日前からKpを予報しているサイトをご紹介します。

 

 

①27日先まで予測できるサイト|spacewetherlive.com

 より正確なKp値がわかるのは、通常3日前からです。しかし、大まかな予測を知りたい場合は、このサイトが便利です。

 太陽の自転周期(約27日)を利用して、長期的な予測を提供しています。

 グラフでKp値が色分け(赤>黄>緑>薄緑)されているため、非常に分かりやすいのが特徴です。また、月の満ち欠けも掲載されているので、月明かりの少ない日を事前に把握することができます。

 こちらの情報は毎週更新されます。

 

② NOAAの3日間予報サイト

 こちらは、アメリカ海洋大気庁(NOAA)が提供する、より信頼性の高い予報です。太陽からのプラズマが地球に届くまでの時間差を利用して、3日間のKp値を予測しています。

 サイトはシンプルですが、予測の正確性が高いのが魅力です。

 「Current Space Weather Conditions」という如何にも重要そうなバーが一番上に表示されますが、ここは無視して大丈夫です。右上の「R」「S」「G」というのは、Kp値と似たような意味を持つ地磁気活動の指標ですが、オーロラ観測には使いにくいです。

 その下の「3-day Forecast」を見ましょう。

サイトの見方:3-DAY FORECAST

「3-day Forecast」の項目にあるグラフで、直近3日間のKp値を確認できます。

 サイトの時間はUT(世界標準時)で表示されているため、フィンランド時間(夏時間:+3時間、冬時間:+2時間)に変換して確認しましょう。

 

 それをKp値で線を引いたヨーロッパ地図と見比べて、オーロラが見える日やオーロラが見える場所の大まかな目安にすればいいと思います。

Kp値で線を引いたヨーロッパ地図(再掲)。あくまで目安に過ぎません。

 私も「今晩オーロラ見えるかな?」とか「明日の夜、パーティの帰りに見えないかな?」とか思ったときに、よくこの予報をチェックしていました。

 特にこのサイトを見るときは、「自分が滞在する地域でオーロラを見るには、Kp値が最低どれくらい必要なのか?」を先に頭に入れてから、Kp値をチェックするのが、ベストです。

 

3-DAY FORECASTはspaceweather.comでも確認可能

ちなみに、先程ご紹介した「spacewetherlive.com」というサイトでも、3日間の大まかなKp値とオーロラ発生確率を掲載しています。元データは同じなので、情報の内容は同じですが、こちらのサイトの方が見やすいかもしれません。

 

③NOAAの30分リアルタイム予報サイト

 「今、オーロラが出ているか?」を知りたいときに役立つのが、この30分予報です(リンク)。地図上にオーロラの発生状況が色と線で視覚的に表示されるため、一目で分かります。

:高確率、:低確率、黄色:中確率

 

 

④フィンランド独自のリアルタイム情報サイト(FMI)

 フィンランド気象研究所(FMI)が提供する、フィンランド国内のリアルタイム情報サイトです。直近10分間の情報しかわかりませんが、信頼性は非常に高いです。

 サイトの外観はこのようになっています。

 R:Revontuli(フィンランド語で「オーロラ」)という独自の指標を使っており、フィンランド各地のオーロラ発生状況が色と形で示されます。

 気になるのは、IvaloやKilpisjärviなど一部の地域がずっと観測ミスで見れないことです。

 正直このあたりの地域は十分暗くて一歩外に出たら見れるかどうか大体わかります。10分予報がなくても、ある意味問題ないのかもしれません。

 

 

Kp値だけではダメ!オーロラ観測成功率を上げるポイント

Kp値の問題点

 Kp値の問題点は2つあります。

  • 空間スケールが荒い → 特定の地域のオーロラの発生状況はわからない
  • 時間スケールが荒い → 3時間より短い期間のオーロラの発生がわからない

 そのため、Kp値以外に、もう少し細かい時間スケールで見られる太陽風の情報もチェックすることが重要です。

 

Kp値以外の予報情報

 Kp値以外にもチェックした方が良い予報情報があります。

  • 雲量予報(Cloud cover)
     空が晴れていないとそもそもオーロラは見えません!
  • 月齢(月の満ち欠け)
     満月に近いと、月が明るすぎてオーロラが見えにくいことがあります。

 詳しくは、別記事「オーロラ観測を成功させるコツ」をご覧ください。

 

まとめ

 いかがでしたか?

 オーロラはただ待つだけでなく、予報を味方につけることで、出会える確率を大きく高められることがお分かりいただけたかと思います。

オーロラ観測条件のチェック
  1. Kp値の確認(時間帯や場所の目安)
  2. 天気の確認(曇りでは見れません!)
  3. 光に邪魔されない場所を選ぶこと

 でも、最後はがむしゃらに粘ることも大切です。天気予報が外れることもあるように、オーロラ予報だって、常に当たるとは限りません。

 

 フィンランドの肌がピリピリする寒さの中で、空いっぱいに広がるオーロラを見た時の感動は、今でも忘れられません。ひとことで表すと、「うわ〜」って感じです。

 

 この記事が、あなたがオーロラを見る手助けになれば嬉しいです。Kp値などの情報をうまく使って、オーロラを見れる可能性を少しでも高めて欲しいなと思っています。

 

  

もっと詳しく知りたい方へ:オーロラ関連リンク集

  

参考文献

  • 『太陽のきほん』上出洋介 2018 誠文堂新光社
  • 『一生に一度は見たい絶景の楽しみ方 オーロラ・ウォッチングガイド』赤祖父俊一 監修 2018 誠文堂新光社
  • 『オーロラの科学 人はなぜオーロラにひかれるのか』上出洋介 2010 誠文堂新光社
  • 『Kp指数について』京都大学大学院理学研究科附属地磁気世界資料解析センター(https://wdc.kugi.kyoto-u.ac.jp/kp/kpexp-j.html)2025.8.7アクセス
  • 『The Kp-index』SpaceWeatherLive(https://www.spaceweatherlive.com/en/help/the-kp-index.html)2025.8.7アクセス

 

脚注

  1. Kp値について
     実際には「1+」や「1.33」など、28段階で表記されますが、一般人向けのオーロラ予報サイトでは、10段階で示すサイトも多いです。ここでは、わかりやすくするために、10段階と書いています。 ↩︎
  2. 地磁気の乱れについて
     実際には、プラズマそのものが電気を帯びた粒子なので、磁気を乱しているのですが、説明が難しくなるので割愛しました。見えているものから説明する方がわかりやすいと思い、このように説明しました。 ↩︎
  3. Kp値の目安
    Kp値は地球全体の予測値(Kpの「p」は「planetary(地球全体の)」という意味)なので、フィンランドで見れるかどうかを保証するものではありません。少なくとも最低限は必要な数値だと考えてください。 ↩︎

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