そのハーブは顔を変え、名を変え、様々な料理に現れます。
学名をCoriandrum sativum、通称パクチーと呼ばれます。初めてそれを食べた妻を震撼させたハーブです。
妻を震撼させたのは、その臭いです。パクチーの独特の香りは、その香りを嗅ぐ者の記憶を掴んで離さない、唯一無二の体験として鮮明に脳に刻まれてしまうのです。
「初めて食べた時は、『なんだ、この草は……!?』と思う間もなく、体の全てがそれを拒絶していました。ほんのひとかけらしか口に入れていないんです。小指の爪の先くらいなんです。でも、口の中の全てを汚染してきました……あれは……そう。カメムシでした……」
と妻は供述しています。
読者の皆さんも初めてパクチーを食べたとき、衝撃を受けたのではないでしょうか?
でもこれ、あなたの舌や鼻が変なんじゃなくて、ちゃんと理由があるんです!!(; ・`д・´)
というわけで、今回は私たちを震撼させた、パクチーのニオイの謎に迫ります!٩( ᐛ )و
パクチー(コリアンダー)とは?

| 名称 | コリアンダー(英語) パクチー(タイ語) ダニャ(インド語) 香菜(中国語) コエンドロ(和名) アイツ(妻命名) |
| 学名 | Coriandrum sativum |
| 種まき | 3-4月、9-10月(霜が降りるまで) |
| 開花期 | 7-8月 |
| 高さ | 30-50cm |
| 特徴 | 花は小さく白〜桃紫色。葉は細かい切れ込みがあり、鋸歯状。 |
パクチー(Coriandrum sativum)はセリ科コリアンドルム属の一年草です[1], [2], [3], [4]。中華料理や東南アジア料理、インド料理、中南米料理、北アフリカ料理で、ハーブや香辛料としてよく使用されています[1], [3], [4]。パクチーはタイ語で、英語ではコリアンダー、インドではダニャ、中国語では香菜、和名はコエンドロ1と呼ばれます[1], [2], [3], [4], [5]。別名シアントロ[2], [4]やカメムシソウ[1]などとも呼ばれています。また、私の妻からは「アイツ」「私の敵」などと呼ばれます。
その葉の香りは、「カメムシソウ」の名の通り「カメムシの匂い」と表現されます[1], [4]。「せっけんの臭い」と言われることもあるようです[6]。根は一段と強い香りがするそうです[5]。その実は柑橘系の爽やかな香りがします[3], [4], [5]。
私もコリアンダー・シード2とパクチーが同じ植物だと結びついていなかったので、パクチーのような臭いなのかと想像していたのですが、試しにスーパーでコリアンダー・シードを買ってみたら、確かに柑橘系の爽やかな匂いがしました。パクチー嫌いな妻でも全然大丈夫そうでした。
世界的な通称としては、「コリアンダー」が一般的な名前であるようです。面白いのは、このコリアンダーの名前の由来が、「カメムシソウ」にそっくりな点です。
- パクチーはコリアンダーのこと
- 「アイツ」「私の敵」などとも呼ばれることがあります!
- コリアンダーの葉は、カメムシのような独特の臭いが特徴ですが、コリアンダー・シードからは爽やかな柑橘系の匂いがします。
- コリアンダーの名前の由来はカメムシソウと似ている??
コリアンダーの名前の由来

コリアンダーの名前の由来は複数あります。いくつかの文献から引用してみました。
「トコジラミ」と「ナンキンムシ」は同じ虫を指すようで、英語では、”bed bug(ベッド虫)”と呼ばれているようです[7]。ナンキンムシは最近日本のホテルなどでも発生していることはニュースで見ましたが、カメムシの臭いがするんですね! 「噛まれたら、かゆい上にクサいなんて最悪じゃん!」と妻。まったく同意です。
さて、話を戻して、上記の引用をまとめると、
「korisはトコジラミ(or カメムシ?3)を表すギリシャ語(or アラビア語)で、この言葉がコリアンダーの名前の由来である。トコジラミもコリアンダー(パクチー)と同じく、アルデヒドという物質由来のカメムシ臭がする」
ことがわかります。
つまり、コリアンダーの名前の由来は、このカメムシ臭(トコジラミ臭)によるものであると思われます。
- コリアンダーの名前の由来は、トコジラミの臭いが由来。
- カメムシも、トコジラミもコリアンダー臭!?
このカメムシ……間違えた、コリアンダーの香りを詳しくみる前に、少しだけコリアンダーの歴史を見てみましょう。
我が家のパクチー(コリアンダー)の歴史
話の流れから、食べたことない方にも察してもらえると思いますが、パクチーという食べ物は、とても好き嫌いの分かれる食べ物です。
かくいう私も元々パクチーが嫌いでした。しかし、母はエスニック料理が好きで、私の子供のときはそこまでメジャーでなかったはずのパクチーを、どこからともなく探してきて、よく私に食べさせました。
(私)「これ、変な味する。まずい」
(母)「ちがうっ!! パクチーは美味しい!」
(私)「え〜、変な臭いするよ」
(母)「ちがうっ!! パクチーは美味しい!」
今なら、インターネットが発達しているので、ネット情報を使って反論できたかもしれませんが、当時はそんな情報を得られる術もなく、当然反論の余地もありませんでした。
そうして、ブーブー言いながら食べているうちに、「あれ、食べられるかも?」と思い、今では普通に食べられるようになりました。
(母)「パクチーは美味しい!」
(私)「パクチーは美味しい食べ物です!」(╹◡╹)
(母)「パクチーは美味しい!」
(私)「パクチーは美味しい食べ物です!」(╹◡╹)
(母)「パクチーは美味しい!」
(私)「パクチーは美味しい食べ物です!」(╹◡╹)
我ながら、心温まるストーリーですね。「人に歴史あり」ですっ!!
- パクチーは美味しい食べ物です!(╹◡╹)
世界のコリアンダーの歴史
世界ではかなり昔からコリアンダーが使われていたようです。そして、昔の人もコリアンダーは臭いと言っていたようです。つまりこれから見るのは、カメムシの臭い蔓延の歴史です。詳しく見ていきましょう。

| 中東 | 地中海沿岸・中東 | ・原産地(〜B.C.6000には利用)[3], [5] |
| イスラエル | ・8000年前の洞窟から種子発見[8] | |
| バビロン | ・空中庭園にも生育[5] | |
| 中東 (アッバース朝) | 『アラビアンナイト(千夜一夜物語)』で媚薬として登場する[5] | |
| アフリカ | エジプト | ・ツタンカーメンの墓から種子が見つかる[5] |
| ヨーロッパ | ギリシャ | ・〜B.C.2000 ギリシャで栽培されていた[3] ・ヒポクラテスの医学に使われる[13] ・ギリシャ神話のクレタ島のミノス王の娘、アリアドネは古代ギリシャ語でコリアンダーを意味するkoriadnonが由来[5] |
| イタリア | ・アピキウスの料理書に記載[8] | |
| 北欧 (デンマーク) | ・ヴァイキングはコンスタンティノープル襲撃の際に北欧に持ち帰ったとされる[5]。デンマークのCopenhagen近くの遺跡[9]やFyrkatの遺跡[10]から種子が見つかる4。 | |
| イギリス | 青銅器時代末期(紀元前2000年頃〜)の遺跡(Minnis Bay)から種子が見つかる[2], [11] | |
| アジア | インド | 7世紀のサンスクリット語の書物『Jvaracikitsā』に記載[12]。紀元前5000年頃の書物にも記載があるらしい[13] |
| 前漢(中国) | ・紀元前207年-紀元220頃、不老不死や催淫の効果があるとされた[5] | |
| アメリカ | アメリカ | 1670年イギリス→アメリカ伝来[3] |
| メキシコ ペルー | スペイン人により伝来[5] |
日本人にとっては、コリアンダー(パクチー)といえば、東南アジアのイメージがあると思います。ですが、実際は、地中海沿岸・中東あたりが原産の植物です。8000年以上前から利用されてきたようで、紀元前にはすでに、ユーラシア・アフリカ大陸の各地で、利用されていた痕跡が見つかっています。古代ローマの時代には、アピキウスという人の料理本に使い方が記載されていますが、イタリアではバジルなどにとって代わられたみたいです[8]。私は、こんなに広いエリアでパクチーが使われてきたなんて、全然知りませんでした。
そして、ヨーロッパにも程近い地中海沿岸が原産にも関わらず、ヨーロッパでコリアンダーの葉を使う習慣が生き残らなかったのは、とても興味深いです。それがよく表れているのが、1960年代にコリアンダーの葉を「チャイニーズ・パセリ」と呼んでいたことです。戦後、しばらくして中華料理が流行した際に、コリアンダーが流行ったようなのですが、コリアンダー・シードと元が同じ植物だと認識されなかったせいで、チャイニーズ・パセリと呼ばれていたそうなのです[6]。それくらい、ヨーロッパでは、コリアンダーの葉を使う習慣は一般的ではなかったようです。
かつては、ヨーロッパでも、葉っぱを使用していたようです。実際、コリアンダーの葉のことを「臭ぇ、臭ぇ」と言っている本が16-17世紀のヨーロッパにもいくつかあるようです[8]。昔の人がコリアンダー臭を感じていなかったわけではないと知って、私はなぜだかホッとしました。
- コリアンダー(パクチー)は東南アジア原産ではなく、地中海沿岸や中東あたりが原産。
- コリアンダーは日本人が思っているより、はるかに広い勢力圏を持っています。
- 昔の人にとってもコリアンダーは臭かった!?
カメムシのにおいについて
では、このコリアンダーのカメムシ臭の原因はなんなのでしょうか??
結論から言うと、実はパクチーに含まれる香り成分が、カメムシの匂いと似ているんです。
特に「アルデヒド」系の香りがポイントです。これが鼻をツン!と刺激して、「うっわ、カメムシ…」と感じさせるんですね。
だから、あなたが感じてるその違和感、気のせいじゃないです。むしろ正常です!!

「パクチー 匂い」とGoogleで調べると、アルデヒドというグループの化学物質の中の「へクセナール」と「デセナール」がカメムシ臭の原因だと出てきます。「なるほど〜」と思って、少し調べてみることにしました。匂いを構成する物質は、アルデヒドだけではありません5が、ここではアルデヒドに絞って、コリアンダーとカメムシとトコジラミがつくるアルデヒドを比較しました。
表はアルファベット表記されていますが、以下の文章で解説するので、さらっと見てもらえれば大丈夫です。
| コリアンダー (パクチー) | カメムシ | トコジラミ (ナンキンムシ) | |
| アルデヒド | 割合 | アルデヒド | アルデヒド |
| ピックアップ: (E)-2-decenal (E)-2-dodecenal | 32% 8% | (E)-2-decenal (E)-2-hexenal 4-oxo-(E)-hexenal | (E)-2-hexenal 4-oxo-(E)-2-hexenal |
| (E)-2-tetradecenal (E)-2-undecenal Dodecanal (E)-2-tridecenal (E)-2-hexadecenal Pentadecenal | 7% 4% 4% 3% 3% 2% | Hexanal (E)-2-octenal | Hexanal (E)-2-octenal Acetaldehyde Benzaldehyde Butanal Heptanal Octanal Pentanal Propanal Nonanal Undecanal (E)-heptenal (E,Z)-2,4-Octadienal 3-methylthio-propanal 4-oxo-(E)-2-octenal |
| 用途: おそらく防虫、防菌、忌避剤 | 用途: 対天敵の防虫、忌避剤 | 用途: 種内コミュニケーション 集合、警告、交尾相手探し | |
| 引用元:[8] | 引用元:[14] | 引用元:[15] | |
黒太字が「ヘキセナール(hexenal)」と「デセナール(decenal)」に当たる物質です。パッと見たところ、カメムシの主要な臭い物質は、概ねトコジラミの主要なアルデヒドと一致しています。トコジラミがカメムシ臭いのは間違いなさそうです。
個人的に面白いと思ったのは、トコジラミでは、コミュニケーションの手段として、アルデヒドを使っているらしいという点です! こんな小さい虫の世界で、ニオイを使ったコミュニーケーションを行なっているというのはとても興味深いです。
すみません。話が脇に逸れました。元に戻します。
表を見比べていると、問題が発生していることに気がつきました。どうやら問題は2点あるようです。
- コリアンダーの主要アルデヒドに肝心の「ヘキセナール」が見当たらない!?
- かといって、「デセナール」はトコジラミには見当たらないので、デセナールがカメムシ臭の主要成分というわけでもなさそう
カメムシ臭「ヘキセナール」を探せ!
というわけで、「ヘキセナール」に絞って、ほかの論文を探してみることに…。
すると、新鮮なコリアンダーには、「ヘキセナール」は多く含まれているが、スーパーの店頭に並んでいるものからは、「ヘキセナール」が検出されないと書かれた論文[16]を発見!
表を引用してみました。
| コリアンダー中の アルデヒド | 濃度(μg/g) | |
| 収穫1h以内 | スーパー店頭 | |
| (Z)-3-hexenal (E)-2-hexenal (E)-2-decenal (E)-4-decenal (E)-2-dodecenal nonanal (E)-2-nonenal decanal undecanal (E)-2-undecenal dodecanal tridecanal (E)-2-tridecenal tetradecanal (E)-2-tetradecenal (E)-2-pentadecenal (E)-2-hexadecenal | 2.02 ± 0.94 0.38 ± 0.16 59.2 ± 12.6 + 22.3 ± 3.2 0.13 ± 0.0.03 0.47 ± 0.10 10.6 ± 2.0 0.23 ± 0.12 3.96 ± 0.68 0.38 ± 0.07 –––– 2.99 ± 0.56 0.18 ± 0.03 44.9 ± 8.4 6.49 ± 1.0 4.86 ± 0.66 | ––– ––– 2.41 ± 1.17 ––– 9.10 ± 0.55 ––– ––– 5.56 ± 1.01 0.35 ± 0.01 0.57 ± 0.15 1.03 ± 0.09 0.059 ± 0.01 1.09 ± 0.0.04 ––– 14.2 ± 0.16 4.65 ± 0.24 1.93 ± 0.10 |
”–––” は検出されなかったことを表しているので、収穫1時間以内のコリアンダー(パクチー)から検出されていたヘキセナール(hexenal)が、スーパー店頭に並ぶ頃には失くなっていることがわかります。
一瞬、「ヘキセナールはやっぱりパクチーに含まれているんだ! カメムシ臭はこれが原因か〜」と納得しかけました。
「あれ??」
そこでハタと気がつきました。店頭に並ぶ頃には、ヘキセナールが失われているのであれば、食べるときにカメムシ臭がするのはおかしいですよね??
- スーパー店頭に並ぶコリアンダーには「カメムシ臭」の原因であるヘキセナールは検出されないはずなのに、なぜ食べると「カメムシ臭」が口いっぱいに広がるのでしょうか??
カメムシ臭の原因は??
う〜ん。
私は悩みました。実は、見たくても見れていない「これぞ!」という論文があるみたいなのですが、お金をそれなりに払わないと見れないのです。一応著者に「論文送って〜」と頼んでみたのですが、返事が来るかどうか。
仕方なくインターネットをポチポチしていると、なんと私の悩みを救ってくれる記事が!?
Kei, Ph.D.という方がnoteで、『カメムシの臭いとパクチーの香り』という記事を書いています[17]。この方、なんと専門が有機化学であるそうで、高分子にも詳しいようなのです。
これによると、trans-2-ドデセナール((E)-2-dodecenal)という物質がtrans-2-ヘキセナール((E)-2-hexenal)と化学構造がよく似ているため、同じようにカメムシ臭がするようなのです。trans-2-ドデセナール((E)-2-dodecenal)は、上記2つの表で赤太字で示したものです。
下図がこの二つの物質の化学構造です。ヘキセナールの構造が、ドデセナールの構造の中に含まれている形で存在しています。ドデセナールはヘキセナールに比べて、かなり炭素の鎖が長くついています。

実際見てみると、似ているような似ていないような…。専門家が「似ている!」と言っている上に、同じようにカメムシの臭いがするのであれば、もはや似ているってことでいいような気がしてきました。
よく探すと、Eriksson et al. 2012にも、”(E)-2″アルケン化合物と〇〇-アルデヒド(特に(E)-2-decenalと(E)-2-dodecenal)がせっけん臭(=「パクチー臭」)の原因だと書いてあります(孫引き引用ですが笑)[18]。
さらに、S&Bのサイトでも「ドデセナールの香りは、香菜の特徴的な風味に影響を及ぼす物質」と書いてあります[19]。しかも、ドデセナールの濃度は、葉<茎<根の順番に濃くなっていくようです。葉っぱだけがカメムシ臭いわけではなかったんですね!
総合的に判断すると、どうやら、コリアンダー(パクチー)のカメムシ臭はこのドデセナール((E)-2-dodecenal)で間違いないようです。このドデセナールという物質の濃度が、コリアンダー中で、とても高いことからも、この考えが正しいことが伺えます。
- 「ドデセナール」という物質がコリアンダーのカメムシ臭の主な原因
- 採れたて1時間以内のコリアンダーにはドデセナールに加えてヘキセナールも豊富に含まれているので、さらなるカメムシ臭が期待できます!
- コリアンダーの臭いは葉<茎<根の順番に濃くなります!
カメムシ臭を感じとる遺伝子
コリアンダーのカメムシ臭を不快と感じるかについては、遺伝も関係しているという話があります[8], [18]。「OR6A2」という嗅覚に関係する遺伝子が、コリアンダーがつくるアルデヒド類を感じやすさに影響することが示唆されています[18]。
要は、コリアンダーを「いい匂い!」と感じるのも遺伝子のせいだし、コリアンダーを「嫌な臭い」と感じるのも遺伝子のせいだという話です。
とはいえ、私個人としては、この話は正直どうでもいいので、軽く流してしまいます。だって、私が「コリアンダーが好き/嫌い」なことが遺伝子由来だろうがなんだろうが、「コリアンダーが好き/嫌い」という事実には何の影響もないような気がします。
でも、行動遺伝学(発現した人間の行動・特徴が遺伝によるものか、環境によるものかを調べる学問)自体は結構面白いので、面白い話題があれば、記事にするかもしれません。
- カメムシ臭の感じ易さには遺伝子が関わっています!
- あなたがコリアンダーの臭いを嫌いだとすれば、それはコリアンダーがクサいからです!
スーパーフード:カメムシ臭の先にある効能
ここまで、臭いばかりに注目してきましたが、カメムシ…間違えた、コリアンダーの凄さはニオイだけではないのです。実は、コリアンダーはここまで述べてきた「豊かな風味」に加えて、栄養も兼ね備えたスーパーフードなのです[5]。
葉の効能:豊富な栄養で健康をサポート
- ビタミン: A、C、Kが豊富。特にビタミンKは骨の健康、ビタミンCは免疫力アップに[3], [13]!?
- ミネラルと食物繊維: 消化を助ける食物繊維に加え、血液の健康をサポートするマンガンと鉄分を含みます[3]。最近、私が鉄分不足と診察されたのは、もしかして母からパクチーを供給されなくなって、パクチー不足になっているのかも!?
- 抗酸化作用: 豊富な抗酸化物質が、体の炎症や病気の進行を抑制します[3], [13]。抗酸化作用は実より葉っぱの方が強いです[13]。
実の効能:「カメムシ臭のない」粒に秘められたパワー
- 血糖調整作用: 血糖値の調整を助け、2型糖尿病予防に期待できると書いてあります[5]。「blood sugar level coriander(血糖値 コリアンダー)」で論文を調べると、わんさか論文が出てきます。ですが、糖尿病の人はきちんと病院にいきましょう。論文の多くは動物実験の結果です。人間については、お医者さんが一番詳しいです。パクチーはもしかしたらちょこっとあなたの健康をサポートしてくれる可能性はあっても、あなたを診断してはくれません。
- 善玉コレステロール増加: HDLを増やす働きが期待できるとか[5], [13]。いつもこういう話を聞くと、「よし、これ食べて善玉増やすぞ〜ᐠ( ᐕ )ᐟ」という気分にはなるのですが、コレステロールが何かはわかっていないんですよね〜。(/ ᐕ)/
- 抗菌作用: 食中毒の原因菌の繁殖を抑制する可能性があります[5]。
伝統的な利用法:古くから知られる力
古代ギリシャのヒポクラテスやら、前漢の「不老不死オタク」武帝やら、古代エジプトのツタンカーメンやら、名だたる古ピープルに愛されてきた植物なので、古くからの使用法も多くあります。歴史的には、消化促進、食欲増進、関節・筋肉の抗炎症、緩下剤、痔の緩和、抗菌、歯痛緩和、鎮静作用などに利用されてきたそうです[5]。
このように、コリアンダーは、葉と種を中心に豊富な栄養と多様な効能を持つスーパーフードです。日々の食生活に取り入れて、その有難い効能にあやかりましょう。٩( ᐕ)و
- コリアンダーはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、抗酸化作用、抗菌作用や、善玉コレステロール増加など、効能が盛りだくさんのスーパーフード!!٩( ᐕ)و
- 用量などが書かれているわけではないので、効能は気持ちの問題だと受けとめてください。
パクチーと新しい家庭
ここまで、コリアンダー(パクチー)の臭いの原因や効能について見てきました。でも、これらは全て個人の嗜好と裁量の問題です。このブログは食べられない人にパクチーを勧めるものではありません。食べられる人が食べて、食べられない人は食べなければいいのです。私は妻と結婚して、実家とは異なる、新しいパクチーの形に出会いました。
母の愛情を受けて(?)、今では、パクチーが余裕で食べられる私は、ルーローハンの上にパクチーが出てきても、美味しく食べられます。
(私)「パクチーは美味しい食べ物です!」(╹◡╹)
そのおかげで、私たち夫婦のパクチー担当を務めることになりました。つまり、パクチーが乗った料理が出てくると、妻が葉っぱの部分だけ器用に選り分けて、私の皿に追加してくるので、それを食べる係です。東南アジアなど、海外で食べる場合は、パクチーが汚い水で洗われていないかだけが心配ですが、今のところ、お腹を壊したことはないので、大丈夫なのでしょう。
(妻)「パクチー美味しくない」
(私)「パクチーは美味しい食べ物です!」(╹◡╹)
(妻)「美味しくない」
(私)「パクチーは美味しい食べ物です!」(╹◡╹)
ただ、この論争に終わりはありません。
まとめ
- 「ドデセナール」という物質がコリアンダーのカメムシ臭の主な原因
- 採れたて1時間以内のコリアンダーにはドデセナールに加えてヘキセナールも豊富に含まれているので、さらなるカメムシ臭が期待できます!
- コリアンダーの臭いは葉<茎<根の順番に濃くなります!
「パクチーは美味しい食べ物です!」(╹◡╹)
みなさんもバクバク食べて、健康な体を作りましょう!
さあ、レッツ、カメムシ!!
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[PR] 遥かなるパクチーの高みを目指す方へ
この記事で説明してきた通り、パクチーの香りは、揮発性のアルデヒドがメインです。そのため、鮮度が高ければ高いほど、香り成分の量も種類も多くなります。そのため、パクチーの更なる芳しさを求める方には、自分で栽培することをオススメします。記事内でも触れましたが、採取1時間以内とスーパーに売っているパクチーでは、香り成分の種類と量が大きく異なります。また、成長段階によっても香気成分が異なることが示唆されています。
【パクチーの香りを最大限楽しむ方法】
- 根も利用する(パクチーの香りは根>茎>葉)
- 鮮度の低下は香りの低下(理論上、生えている状態で食べるのが一番香りが高い)
- 加熱しない(加熱は香り減衰のもと)
→自家栽培で、収穫後すぐ根も一緒に生のまま食べるのがベスト
↓パクチー好きの皆さんはぜひこちらの商品もチェック!
※残念ながら、私はパクチーを栽培したら妻から家を追い出されてしまうので、私は陰から応援しています| ᐕ)⁾⁾♡ʾʾ
参考文献
- 『美しい花と香りを楽しむ ハーブ図鑑200』主婦の友社編 2009 主婦の友ベストBOOKS
- 『ボタニカルイラストで見る ハーブの歴史百科 【栽培法から料理まで】』キャロライン・ホームズ著 2015 社原書房
- 『カラー図鑑 ハーブの秘密 利用法・効能・歴史・伝承』ジル・デイヴィーズ著 2018 西村書店
- 『贅沢時間 スパイス&ハーブ事典』姥智子編 2015 学研パブリッシング
- 『カラー図鑑 スパイスの秘密 利用法・効能・歴史・伝承』ジル・デイヴィーズ著 2019 西村書店
- 『「食」の図書館 ハーブの歴史』ゲイリー・アレン 2015 竹原書房
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脚注
- [1]では、「コエンドコロ」と記載されていますが、おそらく誤植で「コエンドロ」が正確な和名。 ↩︎
- コリアンダー・シードという名前ですが、植物学上は果実です[4]。 ↩︎
- korisの訳はトコジラミではなく、カメムシが正しいとするサイト[21]もあるが、真偽は不明。私としては、どちらも同様の臭いを発するのは間違いなさそうなので、翻訳がどちらであろうと大きな差は感じない。 ↩︎
- Karg (2014)によれば、ヴァイキング時代以前に、北ドイツやデンマークでコリアンダーの痕跡が見つかっています[22]。 ↩︎
- アルデヒドAldehyde, アルコールAlcohol, 炭化水素Hydrocarbon, エステルEster, ケトンKetoneなどが匂いの構成物質のグループ[8]。 ↩︎


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