北の北欧ふらっと旅⑥-2:国境を越えてノルウェーへ!ノルウェーは太ももで味わおう!

ノールカップ

 こんにちは。ズッキーです。

 フィンランド北部オウルから始まった自転車旅も、ついにノルウェー国境を越えるところまで来ました!

 

国境の村ナータモ

 そうこうしていると、国境の村Näätämöナータモ(ノ:Neiden、サ:Njauddâm)に入りました。

 Näätämöはさすが国境の村ともいうべきか、ノルウェーやロシアからたくさんのお客さんがスーパーに買い物に来ていました。ロシア人っぽい人(ロシア語話者)が意外と多くてびっくりします。ノルウェー人といえば、無類のDuty free(免税品)好き、かつ、セール好きな人々です。Helsinkiの人々が比較的物価の安いエストニアにお酒を買いに行くのと同様に、ノルウェーの人々は比較的物価の安いフィンランドにモノを買いにくるようです。

 ロシア人がなぜフィンランドまで買い物にくるのかはよくわかりません。ロシアの方が物価が安いイメージがあるのですが、違うのでしょうか?? 

(ロシアのウクライナ侵攻を受けて、フィンランドは2023年以降ロシアとの国境を封鎖しています)

 見慣れないNord1というノルウェーのスーパーもありました。まだ国境を越えてはいませんが、ノルウェーのスーパーがフィンランド側に進出しているのは面白いですね。

 ちなみに、私が買い物をしたのは、このすぐ隣のスーパーマーケット「K-market」です。フィンランドでお馴染みのこのスーパーの方が私には安心感があります。

 お腹が空いていたので、安定のRukiinen piirakkaを買いました。”rukiinen piirakka”(ライ麦パイ)はKarelian piirakka(カレリアパイ)よりライ麦の割合が多く、ライ麦の風味がより高いのが特徴です。私は特に区別せずに食べています。糖分とバターの塩分がちょうど良くて、旅にはもってこいの食べ物です。Ouluで買うよりは高いですが、輸送量がかかりそうな場所なので、仕方がないですね。

 ここで、気がついた方もいるかもしれないですが、ここのスーパーは国境のスーパーならではの値段表記をしていました。

 例えば、Jumboherkkusieni ulkomainen(外国産マッシュルーム)の価格を見てみましょう。オランダ産のこの商品は、4.90euro/kgと書かれています。そして、その下に41.65NOK(ノルウェー・クローネ)と小さく書いてあります。ノルウェー人がよく買い物に来ている証拠です。陸続きの国境というのは、やっぱり面白いですね。

 再び自転車に乗り、移動。

 間もなく、国境に到着しました。

 パスポートが必要なのかと思って身構えたのですが、なんのチェックもありません。ここは国境らしく、小さな溝のようなものがありましたが、あっさり通り抜けられました。存外に何もなくて、拍子抜けしました。島国出身者として、それなりに国境に対する憧れは持っていたのですが、肩透かしを食らった気分です。

 

ノルウェーの美しい地形を足で感じる!?

 ノルウェーに入ると、すぐに地形が変わり、ノルウェーらしい山と谷が目の前に広がります。フィンランドではほとんど見ることのない地形です。

「すごい! ノルウェーだ!」

 それだけでノルウェーらしさを感じます。ずっと自転車を漕いできて、その地形を太ももで感じていたからこそ、とても実感として感じられました。

「しんどい!」

 ノルウェーに入ってすぐは楽だったんです。ずっと下り道で、時折ブレーキをかけるだけで自重で進みます。

「ノルウェーめっちゃいいじゃん!」

と能天気な私は考えていました。ところが、それだけ長い下りがあるということは、その逆もあるということです。

「や、やばい! しんどい」

となるまでに大して時間はかかりませんでした。なだらかなフィンランドと比べて、明らかに地形が急です。太ももに負担がかかる分にはいいのですが、膝にも負担がかかります。ノルウェーを足全体で感じることになるなんて、数時間前には思いもしませんでした。

 汗でベタベタの肌。

 顔には塩を噴き、お尻は汗でムレムレ。

 身体中に砂埃を被り、髪の毛はゴワゴワ。

 そんな汚れに汚れた身体でも自転車を漕ぎ続ける私の唯一の希望は…。

「シャワー、シャワー、しゃわしゃわしゃわあ〜🎵」

 謎の歌を歌いながら、自分を励まします。というか、ハイになってしまって、すでに頭はおかしくなっています。

「あゝ、わたしはヒトにあいた〜いぃ〜🎵 ニンゲンは〜会う〜とたいへん〜でも〜まったくいないと〜さび〜し〜いぃ〜〜🎵」

 さらに謎の歌を歌いました。ノルウェーの大自然の中、車がビュンビュン横切るほかは、人影が全くありません。轟々と下を流れる川と、曇り空。織部色の山々がただあるだけです。

 そんなノルウェーらしさを五感で、全身で、主に肉体的疲労感として感じていた私の目の前に、恐ろしいモノが現れました。

 

恐怖の軍事制限区域

 必死に自転車を漕いでいると、前方に何やら大きな道路標識(青看板)が現れました。そこには、こう書いてありました。

ℹ️Militære restriksjoner 

Military restrictions

(軍事制限区域)

Camping og fotografering er forbudt. (ノルウェー語)

Camping, photographing and stop is prohibited.(英語)

Campen, Fotografieren, Halten verboten. (ドイツ語)

Leirintä, kuvaaminen ja pysähtyminen kielletty. (フィンランド語)

Запрещается установка палаток, фотографирование и стоянка машин. (ロシア語)

(キャンプ、写真撮影、停止は禁止されています)

 お分かりでしょうか。自転車乗りにとって、ここで何が一番問題なのか、が。

 答えをいうと、問題なのは、文の最後の単語。”stop”の部分。『停止ストップは禁止されています』という文言です。

「ふ〜ん、キャンプはだめ。オッケー。写真もダメ。ちょっと悲しい。そして、Don’t stopかあ?」

 最初はその言葉の重要さが理解できていませんでした。しかし、目の前の道は明らかに上に向かって伸びています。

「え!? ちょっと待って! 止まったらダメなの?? 明らかに上り坂なのに!? 言っておくけど、私、結構疲れてるよ??」

 私は看板に向かって抗議しました。しかし、看板が抗議の声を聞き入れてくれるはずがありません。私は意を決して、自転車を漕ぎ始めることにしました。

 しかし、この看板、不親切なのが、軍事制限区域を地図で示していて、2kmくらい先から軍事制限区域が始まるのはわかるのですが、どこからどこまでが軍事制限区域なのかが道路上に明確に表記されていません。そのせいで、

「うわ〜、ここの景色綺麗だな〜」

と思っても、

「ここは果たして軍事制限区域なのか?? どうなんだろう??」

という疑問が常に頭に付き纏い、風景写真すらろくに撮れません。

 結局、私は軍事制限区域の範囲がわからず、ストップすることすらできず、ひたすら自転車を漕ぎ続けることになりました。

 ちなみに、この看板は、Kirkenesヒルケネス空港の近くにあります。空港の周りも写真撮ったらダメなのか、よくわかりませんでした。

 しかし、Kirkenesヒルケネスはロシアに最も近いノルウェーの町なので、やはりノルウェーもかなり警戒しているのでしょう。

 

知り合いの家:久しぶりのシャワー

 Kirkenesヒルケネスにかなり近くなって、休憩所があったので、そこで少し休みました。軍事制限区域がどこまでかはさぱりわかりませんでしたが、さすがに休憩所があって、「Stopするな!」と言われることはないでしょう。

 ここからは比較的なだらかな海沿いを進みました。

 少しずつ、人の気配がしてきて、私はKirkenesヒルケネスに到着しました。ここには、知り合いがいるので、家に泊めてもらえる話になっています。しかし、ここに来るまで全然wifiを使えなかった私は、正直シャワーにありつけるかわかりませんでした。しかも、wifiが使える場所もわかりません。

 ただ、幸運なことに、ノルウェーではスーパーマーケットで無料のwifiを飛ばしてくれているらしく、私はスーパーのWifiを使うことができました。メッセージを送ると、意外と早く連絡が取れました。どうやら、私の知り合いは、たまたま私がいたスーパーの近くで働いているらしく、私はその人が来るのをスーパーの前で待つことにしました。

 久しぶりに会ったので、挨拶をして、早速一緒に家に行くことに。

「思ったより早かったね! 結構ペース早くない?」

と言われましたが、私は自分のペースが早いのか遅いのかよくわかりません。

「白夜だから長時間漕いでいただけだよ〜」

とか話しながら、家へ向かいます。

 そして、家につきました。その人は自転車旅をしていたことがあるので、とても優しくて、ご飯を出してくれたし、シャワーも部屋も洗濯機も使わせてくれました。

(うわ〜、人って温かい。そして、屋根と壁があるって最高!!)

 すごく嬉しい気分になりながら、旅の疲れを癒しました。私は話すのが上手ではないので、この気持ちをうまく伝えられていなかった気がします。でも、ここで助けてもらった分は誰かに返したいなと思っています。

 

 おわり。

 

 って、違う、違う!

 まだ旅は終わっていませんよ!! 

 次回はKirkenes滞在編です。乞うご期待!

 

まとめ

まとめ
  • 念願のフィンランドからノルウェーへの国境越え。あっけないほどのシンプルな国境に拍子抜け!?
  • ノルウェーに入ると、想像以上の激しいアップダウンで太ももと膝が悲鳴を!
  • 突如現れた軍事制限区域の「停止禁止」看板にめちゃくちゃ焦りました!
  • ゴール地点のKirkenesでは、温かい再会と、温かいシャワーに感動!旅の疲れが癒やされた瞬間でした。

 次回は、Kirkenesでの国際的な交流をする話になります。

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