初めてのフィンランド②:海外を怖がる私がトナカイを追いかけるまで

留学・長期滞在

 こんにちは。ズッキーです。

 この記事は昔少しだけ書いていた記事を転載したものです。(ちょっと文章が上手ではないです)

 留学したいと思っていた私は、大学で短期海外研修プログラム(英語能力は問わない)を見つけ、審査に合格。行き先は偶々フィンランドでした。

 

短期海外研修プログラムに参加

 というわけで、短期海外研修プログラムに参加することになった私は、事前研修をちょこちょこサボりながらも、一緒に行く仲間たちと事前準備を進めました(当時、部活動が週6〜7日、朝5時から日によっては夜9時半まであり、仲間たちとの交流時間は大幅に削られました。部活動とはそういうものなのですよね。本当に申し訳なかったです、仲間たち)。

 そして、部活の先輩方に「休みます。ごめんなさい。ご迷惑、ご苦労、ご不便をおかけします」などと謝りながら、ちゃっかり2週間の休暇を勝ち取り、ついに出発です。

 当時はフィンランド直通便がなかったため、行きはフランクフルト(ドイツ)で、帰りはヒースロー(イギリス)でトランジットして向かうことになりました。

 欧州は初めてでしたので、ドキドキが止まらない…はずでした。しかし、ドキドキ以上にはしゃいでしまいました。部活動を公的な理由で長期間休めることが嬉しくてたまらず、さらに久しぶりの飛行機にめちゃくちゃテンションが上がっていたのです。仲間たちと静かに盛り上がり、気がつけばフランクフルトに到着していました。

 フランクフルトに降り立った私は、仲間たちから「サイトシーイング(sightseeing)」という呪文を唱えれば、EU(シェンゲン協定国)への入国審査は大丈夫と教えられました。審査の列に並び、自分の番が来た時、私は無事噛まずに、教えられた言葉を唱えることに成功しました。担当の女性はにこっと笑いかけてくれ、「Enjoy your trip」のようなことを言ってくれました。ドイツの入国審査官はなんて優しいのだと、感動しました。

 それが初めての欧州体験でした。

 正直、私たちの入国目的が本当にsightseeingと言っていいのかは定かではありませんが、当時の私に細かいことを説明できる英語力など持ち合わせていません。簡潔に、それらしいことを伝えることが重要だったのです。

 トランジットを済ませ、そのままフィンエアー(Finnair)に乗り込み、爆睡してしまいました。出発前日まで部活動に明け暮れていたこともあり、さすがに疲れていたようです。

 仲間たちに爆睡している姿を写真に撮られたことは、今でも鮮明に覚えています。

 

異文化体験と英語力の壁

 前半一週間はヘルシンキ(Helsinki)、後半一週間はロヴァニエミ(Rovaniemi)で過ごしました。

 仲間たちと一緒に生活して、なんとなく感じたのは、他の日本人学生との時差です。21時に寝て、5時に起きていた私は、どうも他の人より早く眠くなるようでした。夕食を食べる時間には、すでに眠かったのを覚えています。

 さて。

 ここまで、私は自分が英語を話せないと散々書いてきましたが、正直、この当時は自分の英語の喋れなさ加減をあまり認識していませんでした。英語を本当に話せないことは、実際に英語で何かを話そうと思った時に初めて認識するものです。

 現地の学生と交流したり、企業訪問したりした時に、それは身に刺さるように分かりました。

 リスニングはまだマシでした。中学校・高校でも習いますからね。

 ところが、話す段階になると、口から何も出てこなくて、口がパクパクするばかりでした。聞こうと思ったことも、何度も何度も頭の中で唱えて、やっと口から出てくるくらいです。大変困りました。入試レベルで言うと、私の英語の成績も特別悪かったわけではありません。人によっては「すごい」と言う人もいれば、「まあまあだね」と言う人も、「もう少し頑張れるんじゃない?」と言う人もいるレベルでした。

 でも、話せませんでした。

 思えば、書かれた日本語を英語にすることはできても、自分の考えをその場で英語にするなんてことは、全くやったことがなかったのです。

 実際の会話はこんな感じでした。

私  ”Hi”

相手 ”Hi”

私  ”I’m ズッキー.”

相手 ”I’m 〇〇”

私  ”Nice to meet you”

相手 ”Nice to meet you”

私  ”……….あ〜ok”

相手 ”??(何が!?)”

 分かってはいましたが、「英語って本当に話せないんだなぁ」と改めて思いました。これはもはや「発見」です。英語はツールの1つに過ぎないかもしれませんが、英語以外にできないと、英語に頼らざるを得ません。「相手の言語ができないのに、英語もできないってどういうこと?」という話になります。

 

フィンランドでの驚きと学び

 英語に限らず、私たちは様々なフィンランドらしい、そして外国らしい体験をしました。それらは私にとって、とても新鮮な体験でした。スマートフォンを持っていなかった時代に(私は長らくガラケー信者でした。今でもスマートフォンは手放したいと思うほどです)、2週間で800枚近く写真を撮ってしまいました。

 例えば、

  • 会社の会議室の隣にサウナが設置されているのを見せてもらう。
  • 英語にもたくさんの訛りがあることを知る(「Finglish」という呼称を知ったのは、この留学の時です)。
  • 地球温暖化が進む結果、北極を通る船のルートができること(当時、商船三井が航路開発中だという情報は世間には届いていませんでした)を教えてもらう。温暖化のメリットなんて考えたこともありませんでした
  • 「今日オーロラ見れるかもしれないよ」と言われ、みんなで湖のほとりに行き、将棋かチェスかをしながら、踊っていたら(踊っていたのはおそらく私だけですが)、オーロラを見れた

などなど、たくさんの経験をしました。

会社の会議室横のサウナ。留学生時代に友人の会社でこういうサウナに何度か入った
フィンランド人にそれなりに優しかったというロシア帝国のおじさん
1回の食事で1、2度おかわりし続けること2週間で、飽きがくるフィンランドの朝ご飯
ヘルシンキの図書館だったと思う
Aalto yliopisto(アアルト大学)のおしゃれ照明
Lapin yliopisto(ラップランド大学)が手配してくれた(大学の?)コテージ
ただのデジカメで撮ったからまあまあ良いオーロラだったのかも。

Rovaniemiでオーロラを見れる場所については、こちらをご覧ください!

▶︎ツアーを使わない|Rovaniemi(ロヴァニエミ)のオーロラ観察スポット5選

 

忘れられない言葉とフィンランド再訪の決意

 会社などに訪問しているときは、英語が念仏のように右から左に流れる時間を過ごし、それ以外のほとんどは一緒に行った日本人とわいわい過ごしただけでした。

 とはいえ、それだけではフィンランドに行った意味がありません。英語ができない私は、とりあえず、日本語ができるフィンランド人と一緒に行動しました(大学にいる日本語学科の学生と交流したのです)。もちろん、日本人複数に対して相手は一人です。外国人と一対一で向き合うなんて、怖くてできるわけがありません!

 その時に一緒に街を歩いたフィンランド人学生の言葉が、今でも私の耳に残っています。

 その学生は2浪して、日本語学科に入学した人だったと思います。フィンランドでは、浪人や留年が当たり前だそうです。

 日本だと、浪人や留年が悪とされている感があり、浪人していると肩身が狭いような感じがしますが、そのフィンランド人の学生は実に堂々としていました(なぜか私の周りの友人には、例外的に浪人や留年している学生がやたらと多かったせいで、浪人や留年への肯定感が異常に高かったのですが笑笑)。

 その人は言いました。「やりたいことをするために、時間がかかるのは仕方ない。」

 なんてことない言葉かもしれません。

 でも、当時の私はとにかく衝撃を受けました。そして、なんとなく嬉しくなったのです。「本来そうだよな」と思いました。だって、人間って短い期間で何かを成し遂げられるほど、優れていませんから。いや、すごい人はたくさんいますが。凡人には時間がかかるのですよ。やりたいことをやるために、うまくできなくて浪人したりするのは、当たり前のことなのです。

 この言葉は、私の人生の指針となりました。

 だから、この時から数年後、進路に悩む部活動の後輩にも、ドヤ顔でこの言葉を授けました。人からの受け売りであるにもかかわらず。

 無駄に感銘を受けた後輩は、今でも私に無駄に尊敬の眼差しを送ってきます。その無駄に眩しい視線を送るべき先は私ではないのですよ、と言いたいのですが、尊敬の念を受けることが普段あまりないせいか、それが気持ちよくて、いまだに後輩に真実を告げられていません。果たして、私が真実を告げられる日は来るのでしょうか。

 話を戻しましょう。

 とにかく、私は、そういう考え方ができるフィンランド人に興味を持ちました。そして、そういう考え方ができる人を育んだフィンランドに興味を持ったのです。もっとざっくり言うと、話す内容や基本的な考え方が日本人とは違っていて、単純に面白かったのです。

 だから、またフィンランドに来ようと思いました。今度はほんの少しだけでも英語を話せるようになって、最低限の意思疎通はしたい、と思ったのです。英語を話せるだけで、会話できるフィンランド人の数は格段に増えますから。

 

フィンランド再訪、そして留学へ

そこらへんに生えてるmustikka(ブルーベリー)

 …とカッコつけてみましたが、実際は、食い意地の面での理由も、小さくない気がします。森にムスティッカ(mustikka:ブルーベリー)が生えていて、食べ放題なのです(参考:自然享受権 Freedom to roam – Wikipedia)。私は高校野球の度にテレビで流れていたCMのせいで、ブルーベリーに目がないので、私にとって、フィンランドはまさに夢のような国に思えました。

 でも、ほら、食い意地で留学したことにするより、現地の人々の考え方に感化されて留学したということにした方が聞こえがいいでしょう? 私はたぶんフィンランド人ともっと話してみたくて、留学を志したのです。きっとそうに違いありません。

 そして、初めてフィンランドに行ってから2年半後。

 私は、フィンランド的な生き方をさらに知りたくて、オウル大学に留学しました。決して、ブルーベリーに釣られたわけじゃないんだからねっ!!

 それでは〜。

 

 

追伸 

 ヘルシンキの学生が「私、オーロラ見たことない」と言っていて、衝撃を受けました。これがカルチャーショックというものだと知りました。日本人なら、必ず見に行きそうなものなのに。

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