こんにちは。
ズッキーです。
「台湾に旅行に行ったとき、道教の寺廟にお邪魔したのですが、道教の神様のことがさっぱりわからず、そこにいらっしゃる神様に申し訳ない気持ちになったのと、流石に馴染みのない神様に何をどう祈っていいのかわからなかったので、自分なりに調べてみることにしました。( ᐛ )و 」の第2弾です!!
今回は道教の神様などについて紹介していきます。
道教の神様
前回の記事で、道教は多神教であると説明しました。実は、道教の神様は、日本でも神様として受け入れられています。ここでは、日本にも伝来した神様をご紹介します。
有名なところでは、七福神の神様がいます[1], [2], [3], [4]。

いつも通りパワポで作ってもよかったのですが、神様に失礼な見た目になりそうだったので、やめておきました。
| 神名 | 出身国 | 由来 | 功徳 |
|---|---|---|---|
| 毘沙門天 | インド | 北方の守護神 四天王の頭領 | 智徳向上、開運出世 |
| 弁財天 (市杵嶋姫) | インド | 川の女神 | 芸術・学問向上、財福授与 |
| 大黒天 (大国主神) | インド | 戦闘神 財福神 | 金運上昇、子孫繁栄、開運出世 |
| 福禄寿 | 中国 | 南極星の化身 (道教) | 長寿、富貴繁栄 |
| 寿老人 | 中国 | 福禄寿と同体 老子の化身(道教) | 長寿、諸病平癒、富貴繁栄 |
| 布袋 | 中国 | 禅僧 弥勒菩薩の化身 | 人格形成、富貴繁栄 |
| 恵比寿 | 日本 | 蛭児神 事代主命 | 大漁、交易・商売繁盛 |
七福神のうち、道教の神様は、寿老人と福禄寿で、星辰信仰(星の信仰)に由来した星の神様です[2], [3], [4]。福禄寿は福・禄・寿という三つの星の信仰が合わさったもので、寿老人はこのうちの寿の星単体に対する信仰である、という話を何かの本で読んだのですが、どこで読んだのかわからなくなっちゃいました。つまり、少しだけキャラが被っているみたいです。布袋さんは中国の神様ですが、仏教系なので、道教由来の神様ではありません(道教にも輸入されていそうですが笑笑)[1], [2]。
七福神の他にも、有名な神様がいます。道教は、日本の神道と似たところがあり、さまざまな歴史上の人物を神様として受け入れているからです。有名なところでは、三国志の蜀の武将、関羽がいます。道教上の名前は、関帝という神様として祀られています(このあと詳しく説明します)[2], [3], [4]。
日本でも菅原道真や平将門、明治天皇などが神様として祀られていますね[1]。そういう意味でも道教は日本人にはイメージしやすい宗教なのかもしれません。
他にも、日本に伝来した神様をいくつか挙げてみましょう。少しマニアックなので、難しそうであれば飛ばしてください。
関帝(関聖帝君)
呉と魏の連合軍に攻められて戦死した関羽は、数百年間、魂のままでこの世を呪いつつ、さまよっていた。あるとき玉泉山で瞑想中の僧の前に現れたので、僧が諭したところ、関羽は悟りを得て、やっと成仏した。以降は神となり、悪霊を退治したり、災害を予告したりするなど、数々の霊験を示したという。
『道教の本 不老不死をめざす仙道呪術の世界』Books Esoterica 1993
なぜ関羽が神様とされているかというと、「死んでこの世を呪いながらさまよっていたところを、お坊さんに諭されて、悟りを得たから」らしいです[4]。
関羽を諭したお坊さん、凄すぎません!?
関羽は仏教や儒教でも「伽藍菩薩」という護法神(仏法や信者さんを守る神様)として信仰されているそうです[2], [3], [4]。江戸時代には、日本でも女子供まで知っていたといわれるほど、有名な存在です[2]。
横浜中華街に関帝廟という建物がありますが、これが発財の神様として、関羽を祀っている道教の廟です[2], [3]。なぜ、発財の神様となっているのかはよくわかりませんが…。ただ、武神と財神が繋がる例は他にもあり、おそらく、財を守るという意味で武神と相性がいいのでは、という考えがあります[3]。
神農


神農は、中国古代の伝説上の王様、三皇五帝のうち、三皇の一人です[2], [3], [4]。三皇五帝からとって、秦の始皇帝が初めて「皇帝」を名乗った(と、歴史漫画で昔読んだ記憶があります)ので、皇帝という名前の元となった人と言ってもいいでしょう。
神農さんは農耕を人々に教えたという人で、中国の農業の基礎を築いた人であると同時に、草木の種類を判別するために、一日に70種類の毒にあたったとされることから、医薬の創始者ともいわれています[2], [3], [4]。お茶を発見した人ともされているので、お茶の神様でもあります(お茶でその70種類の毒を消した[6], [7]とか、毒草を試しすぎてお茶で解毒する前に死んでしまったいう話[8]もあります←ちょっと毒草ためしすぎちゃったんだね)。日本では、江戸時代あたりから、薬の神様として主に祀られているそうです。有名なところでは、東京の湯島聖堂に神農像が置かれています[2], [7]。私の妻も私もお茶が好きなので、今度見に行こうと思っています。
道教上の名前は、「神農大帝」「五穀先帝」「五穀王」「五谷先帝」で、廟の名前は、五穀先帝廟、五穀宮、穀豊宮、天農廟、開農廟、農惠宮、保安宮、龍元宮、慈生宮、先嗇宮などという名前で祀られています[2], [4]。ちなみに、道教の寺院にあたる建物は、「観」or「宮」or「廟」と呼ばれることが多いようです[2]。私は「寺廟」という呼び方が気に入っています。私が行った台南の神農街では、「薬王廟」という名前で祀られていました。半分樹木がかかって雰囲気のある寺廟なので、機会があればぜひ行ってみて欲しいです。
媽祖まそ


『日立 世界・ふしぎ発見!』という番組で見てから気になっていました。元々は航海の女神さまです[2], [3], [4]。潮の満ち引きが月の満ち欠けと関係している影響からか(女性の出産も月の満ち欠けの影響を受ける)、海関係の神様は女性が多いと私は勝手に思っています。
福建省莆田県で生まれた女巫が信仰されて神様になった存在で、船乗りたちが船の守り神として、船に乗せて移動していたそうです[2], [3]。その由来から、(中国から見た)海外の中華街ではこれを祀ることが多いようです[2], [3], [4]。日本では、横浜中華街や長崎、沖縄などに廟があります[2], [3]。海外では、台湾や東南アジア諸国など、中国人が渡った場所で、この神様が祀られ、今でも信仰されています[2], [3], [4]。
日本では、水戸黄門の名前で有名な水戸光圀公が中国文化の受容に積極的で、媽祖を祀る天紀社(現在の弟橘媛神社)を建てました[3]。
民間で信仰されている間に、その功徳も増えていき、今では万能な権能を持つ女神様となっています。別名は、「天妃」「天后」「護國庇民妙靈昭應弘仁普濟福佑群生誠感咸孚顯神贊順垂慈篤祜安瀾利運澤覃海宇恬波宣惠導流衍慶靖洋錫祉恩周德溥衛漕保泰振武綏疆嘉佑天后」(清の同治帝による勅封で64文字)とも呼ばれ、一般には「天后娘娘」「天上聖母」と呼ばれ親しまれています[2], [3], [4], [9]。
ニャンニャン!!ฅ(=´ㅅ`=)ฅ
泰山府君たいざんふくん


| 泰山府君信仰の成り立ち |
|---|
| 儀式の場としての信仰 |
| 山東省の泰山は「封禅の儀」という即位の儀式を行う場所だった(秦の始皇帝など)。 |
| 仏教の影響 |
| 後漢から魏晋時代、泰山は人の魂魄を招き生命の長短を司るという、閻魔王のような役割をもつようになります。また、南朝宋の時代には、泰山を閻魔王の下位に位置付けるようになった。 |
| 異民族の影響 |
| 『魏書』に出てくる北方遊牧民烏丸族の習俗で、死者の神霊は赤山(泰山より西北の山)に帰るべきものとされ、漢民族もこの影響を受けた。 |
漢の時代から聖なる山として五岳(河南、山東、山西省を中心にした中原にある五大聖山の総称)が崇敬されていた。そのなかで最も神聖なのが、東岳・泰山の神の泰山府君である。東岳大帝ともいう。
『道教の本 不老不死をめざす仙道呪術の世界』Books Esoterica 1993
泰山府君の信仰は複数の信仰が混ざり合って生まれたと考えられています[2]。儀式の場としての信仰、仏教の地獄信仰、および異民族の信仰が交わった結果、泰山府君は、人の賞罰や生死を司る神様として信仰されるようになりました[2]。
また、泰山が封禅の儀が行われる場所とされていたのは、五岳信仰と呼ばれる山そのものに対する信仰も関係しているようです1[3], [4]。
こうして詳しく見てみると、泰山が中国の歴史とも深く関わっていた場所だとわかります。始皇帝の時代をモデルにした、漫画『キングダム』など、中国史は定期的に脚光を浴びる題材ですが、そのような歴史と並んで、当時の信仰を学んでみるのも面白いかもしれません。
中国の泰山信仰に関して、不思議な説話があったのでちょっとだけご紹介します[3]。
泰山の上に寿命が解る金篋玉策という玉の御札がありました。前漢の武帝が「朕も寿命知りたい」と言って、その策を持つと、「十八」と出ました。「逆さにして読んでみたら八十になるから寿命伸びるんじゃね?」と言って、やってみたら長寿になりました。めでたしめでたし。
『道教の神々と祭り』野口鐵郎ほか 2004 セリフ等一部改変
↑「え、テキトーすぎない?? それでいいのっ!?」と思いますが、このゆるふわ感もいいですよね。漢の武帝は、北方謙三のハードボイルド小説『史記』にも出てくるので、興味があれば読んでみてください。
最後に、泰山府君に関わる行事をご紹介します。親族が亡くなって四十九日に「満中陰」と呼ばれる法要を行うと思います。これは、冥界(中陰)における泰山王による審判が終わったことを意味しているそうです[2]。意外と身近なところに道教の風習があることにびっくりしますね。たしか泰山王は閻魔十王の七人目で、一人につき審査に7日かけるので、7日×7人=49日という話をどこかで読んだのですが、どこで読んだか忘れました。
ここまで見てきた通り、道教の神様は二つ名持ちであることが多いです。かっこいいですね!!
まとめ
道教の神様ってなにも知らないで道教の寺廟に行くよりは、そこの神様のことを知ることで、少しは興味を持ってもらえるようになれたのではないでしょうか。
えっ….と、なりましたよね….?(;≡д≡;i)
心配になってきた!
観光に行くときに少しでも興味を持って見学してもらえると嬉しいです。٩(ˊᗜˋ*)و
- 七福神には道教からやって来た神様がいる
- 道教では、実在の人物も神様になれる
- 中国の皇帝は、神様に長い名前を授けすぎ!
ちなみに、私が好きなフィンランドでは、土着の宗教がキリスト教によって破壊されてしまっています。友達に「フィンランドの元々の神様とかってどんなの?」「精霊的なのがいるの?」と聞いても「わからない」と言われて、ちょっと悲しい気持ちになりました。知っている人は知っているのかもしれないのですが、聞いた友達は知らないくらいには、マイナーなのかもしれません。なので、固有の宗教が残っているということは、それだけで素晴らしいことだと感じます。土着の宗教って人間くさくていいんですよね〜。ㄟ( ▔∀▔ )ㄏ
参考文献
- 『すぐわかる 日本の神々 聖地、神像、祭り、神話で読み解く』鎌田東二監修 2005 東京美術
- 『日本と道教文化』 坂出祥伸著 2010 角川選書
- 『道教の神々と祭り』野口鐵郎・田中文雄編 2004 あじあブックス 大修館書店
- 『道教の本 不老不死をめざす仙道呪術の世界』Books Esoterica 1993 学習研究社
- Wikipedia 関羽信仰(https://zh.wikipedia.org/wiki/關羽信仰)2025/2/15アクセス
- 『本場に学ぶ中国茶』王広智監修 岩谷貴久子訳 2012 科学出版社東京
- 『お茶の世界の散歩道』森竹敬浩著 2009 講談社出版サービスセンター
- 『香りを楽しむ 中国茶の事典』 成美堂出版 2000
- Wikipedia 媽祖(https://zh.wikipedia.org/wiki/媽祖)2025/2/15アクセス
- 今昔物語集現代語訳HP(https://hon-yak.net/19-24/)2025/2/15アクセス
脚注
- 五岳信仰は、神仙思想の対象となる神仙たちや仙境、東海に遠征してまで捜しても、西方の地を探し求めても全然見つからなかったので、「じゃあいっか」と近場で名山霊地を決めたものです。東岳泰山、南岳衡山、西岳華山、北岳恒山、中岳嵩山の五岳をその対象としています(『道教の神々と祭り』野口鐵郎・田中文雄編 2004)。 ↩︎




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