札幌で会えるイサム・ノグチの芸術 〜大通り公園からモエレ沼公園まで〜

札幌で会えるイサム・ノグチの芸術〜大通り公園からモエレ沼公園まで〜 日本

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 イサム・ノグチを知っていますか?

 イサム・ノグチ(1904 – 1988)は、彫刻家です。立体芸術の人です。彫刻は、公共の場で楽しまれるべきだ、という理念を持っていた人です。

 かっこいい!

AKARIはイサム・ノグチを代表する作品群。写真は、アムステルダム国立美術館のもの。
AKARIはイサム・ノグチを代表する作品群。写真は、アムステルダム国立美術館を旅行したときのもの。

 

大通り公園の滑り台:ブラック・スライド・マントラ

 札幌の中心部。ビル街。札幌駅とすすきの駅の間を走る大通り公園の中。

 テレビ塔からは少し離れた大通り8丁目と9丁目の間。

 黒い滑り台があります。

 親が見守る中、子供が「もういちど。もういちど、すべっていい?」と聞きながら、同じ滑り台を何度もぐるぐるしています。完全に街に溶け込む、滑り台。

 でも、普段意識しないけど、ちゃんと見ると、変わった形をしています。

 それもそのはず。これがイサム・ノグチの作品です。滑り台そのものが芸術作品になっているのです。ビルの背景に溶け込む黒さです。

 この滑り台に関して、『もっと知りたいイサム・ノグチ 生涯と作品』では、次のように説明されています。

ヴェネリア・ビエンナーレの白い大理石と対をなす、インド的インスピレーションの大作滑り台。──中略──大通り公園という、市の中央の導線に据えられたモニュメントで、札幌市を鳥瞰すれば宇宙的規模の配置であると納得できる傑作である。

孫引き引用(高橋巌著『ディオニュソスの美学』〈春秋社 2005年〉参照

 ちょっと待って。わからん!

 私の理解力の遥か上を飛び越えていきました。噛み砕いて考えましょう。

 

ブラック・スライド・マントラの位置

 まずは地図を確認してみます。

 空から見てみると、確かに、札幌のど真ん中に滑り台が置かれているのが分かります。札幌市は、イサム・ノグチの要望を受けて、道路を潰したというくらいなので、彼のこの場所へのこだわりが分かります。

 

インド的インスピレーション

 名前の「マントラ」とは、真言のこと。「仏さんの真実の言葉」という意味です。高野山の仏教真言宗の真言マントラとはここから来ています。つまり、仏さんの真実の言葉を伝える宗派が、真言宗です。

 仏教はインドから伝来したものなので、真言は、元々古代インドの言葉である、梵字サンスクリット語を使って表されます。

  『मन्त्र』

 こういう文字、見たことないですか。お墓の木札の上の方に書かれていたりするのですが。これが梵字です。たとえば、仏教の神様の一尊、不動明王の真言マントラは『ह्म्मां』というふうに伝えられています。

 

 ……あれ(੭ ᐕ)?

 ほら、ここまで、梵字の話をしたからには、梵字と真言と滑り台が繋がると思うじゃないですか。

 

 ……違います。これは、どれだけ考えても分からなかった私の思考回路をダダ漏れで書いているだけです。

 なんといっても、「マントラ」とこの滑り台との結びつきがさっぱり分かりません。なぜ「マントラ」という言葉を使ったのでしょうか。曼荼羅ならわかるのですが。う〜む。

 しかし、どうやらイサム・ノグチが、インドからインスピレーションを得たのは確かなようです。

 

 なので、皆さん、この滑り台を見かけたときは、インドっぽさを探してみてください!

 ←ただの丸投げᐠ( ᐛ )ᐟ

 その際は、実際に滑ってみることをおすすめします。イサム・ノグチは、身体で感じて、子供の頃の思い出を呼び起こすような彫刻を目指していたといいますから、滑ることでヒントが得られるかもしれません。

 

 

イサム・ノグチの遺作? モエレ沼公園

 モエレ沼公園は、札幌のガイドブックにも掲載されるほど、有名な公園です。大地そのものが彫刻になっている、めちゃくちゃかっこいい公園です。

 立体彫刻の極みです。

 広々としているといえば、聞こえがいいですが、自転車で回らないと、全体を見て回るのが大変なほどの広さです。公園内にレンタサイクルがあることからもそれが分かります。遠くの人が豆粒に見えるほど、人との距離が保たれた空間です。

 緑の芝、緑の木々。管理された人工的な公園でありながら、緑はいっぱい。

 しかし、意外や意外。

 元は、不燃ごみの埋立地でした。

 イサム・ノグチがこの公園の視察を行ったのが、1988年3月のこと。設計の模型が11月に完成しました。ところが、急遽、この年の12月に亡くなってしまいます。

 札幌市は、模型をもとに公園を作成することを決めます。

 それが、今のモエレ沼公園です。なので、「イサム・ノグチが設計した」という表現を使うと語弊があるのだそうです。大人の都合があるのかもしれません。

 

モエレ山

 この公園にはシンボル的な山があります。

 モエレ山です。

 その頂上からは、360度札幌〜石狩の景色が見渡せます。風が強く、季節によっては、上着を持って行った方がいいかもしれません。

 ちなみに、この山の頂上から自転車で直滑降で降りると、タイヤが両輪ともパンクすることがよく知られています。いや、とある北海道の大学生から聞いた話です。彼曰く、危険ですので、絶対真似しないでください、とのことでした。

 

モエレ沼公園のアクセス

 札幌市中心部から自転車で50分くらい。

 地下鉄東豊線「環状通東駅」から【東69】「あいの里教育大駅」行き、【東79】「中沼小学校通」行き、【東61|ビ61】「中沼小学校通」行きに乗れば25分ほどで着きます。

 

 

まとめ

イサム・ノグチと札幌
  • ブラック・スライド・マントラ…札幌の中心に置かれた、黒くて、かっこいい滑り台。
  • モエレ沼公園…札幌郊外の広大な公園。公園そのものが巨大な彫刻作品。

 2つともおすすめの場所です。

 札幌に来た際は、ぜひ行ってみてください!

 

参考文献・サイト

 

 

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