フィンランドで主なカモメは6種。
嘴・足・背中の色を見るだけで、初心者でも簡単に見分けることができます!
こんにちは。ズッキーです。
映画『カモメ食堂』のせいか、フィンランドが好きな方のSNSで、よくカモメ(lokki)の写真を目にします。
しかしながら、カモメをカモメと呼ぶのは、フィンランド人と日本人を「ヒト」と呼ぶくらいには、大雑把な言い方です。
たまには、格好つけて「ニシセグロカモメ見たよ」とか言いたいものです。
そこで、この記事では、フィンランドのカモメの見分け方をご紹介しようと思います。
カモメを見て「あ、カモメ!!」で終わらず、「なんのカモメだろう?」とちょっとだけでも考えてもらえるきっかけになれば、とても嬉しく思います。
カモメ判別のためのフローチャート
フィンランドの主要なカモメ6種の見分け方をまとめてみました。フローチャートに従えば、カモメの種類がわかるように作りました。
私なりの見分け方になりますので、プロの見分け方とは違う可能性があります。
Q1. 嘴の色は何色?

嘴の色で、ヒメカモメ(黒)とユリカモメ(赤と黒)は特定できます。残りの4種は黄色い嘴をしています。
Q2. 嘴に赤い斑はあるのか?

嘴に赤い斑がなく、基本的に黄色のみの種は、ただのカモメです(時々暗色の斑が見られる)。グループとしての「カモメ」と分けるために、タダカモメなどとも呼ばれたりします。
残りは3種ですね。
Q3. 足の色は何色?

3種の中で、足の色が黄色なのは、ニシセグロカモメです。
残り2種は淡いピンク色をしています。
Q4. 背中と翼の色は何色?

背中の色が淡い灰色をしていたらセグロカモメ、大きくて、背中(翼)の色が濃いのがオオカモメです。
嘴の色→足の色→背中(翼)の色の順番なら、初めての方でも見分けられると思います。難しいのは最後だけで、セグロカモメとオオカモメは、大きさと灰色の濃さが違いますが、初めてだとわからないかもしれません。
迷ったら、圧倒的に数の多いセグロカモメの可能性が高いです。セグロカモメについては、別記事(▶︎オランダ・ベルギー観光で見た鳥13種)で写真を紹介しているので、参考にしてみてください。
ちなみに、カモメの仲間は、雌雄でメスの方が小さく、可愛い顔をしています。
茶色い斑点模様のカモメを見つけたら……?
フィンランドの夏、時々茶色い斑点模様の地味なカモメを見かけるかもしれません。
それは、カモメの種類が違うのではなく、カモメの子供(幼鳥)たちです。 彼らは大人になると白やグレーのシャキンとした羽に生え変わりますが、子供のうちはみんな似たような見た目をしています。もし見かけたら「あ〜、カモメの子供ね。は〜い」と温かい気持ちで見守ってあげてください。
顔をよく見ると、若々しいので、可愛いです。
判別は……プロでも難しいことがあるので、無理しなくて大丈夫です!
カモメ界のカモメたち
※分布は、気候変動(温暖化)の影響で変化している可能性があります。
※カモメの仲間は、種間で交雑します。雑種が存在します。
※全長:嘴の先から、尾羽の先までの長さ
Pikkulokki:ヒメカモメ Hydrocoloeus minutus
自作の絵なので、見苦しいところには目をつむってください(* ᴗ ᴗ)⁾⁾

| 名称 | 芬名:Pikkulokki 英名:Little Gull 和名:ヒメカモメ 学名:Hydrocoloeus minutus |
| 全長 | 25 – 27cm (ハトより小さい) |
| 色 | 頭:(夏)すっぽり黒色 嘴:黒色 足:赤色 翼の先端:白色 |
| 声 | 短く鋭いアジサシのような声 求愛時 “däi-kä däi-kä” と鳴く |
| 分布 | フィンランド南部 (フィンランドでは夏鳥) |
| 日本の分布 | なし(迷鳥) |
| 備考 | 翼の裏側が黒い カモメ最小の種 |
Naurulokki:ユリカモメ Larus ridibundus

| 名称 | 芬名:Naurulokki 英名:Black-headed Gull 和名:ユリカモメ 学名:Larus ridibundus |
| 全長 | 38 – 44cm (ハトより大きい) |
| 色 | 頭:(夏)斜めに黒色。目の周りが白い (冬)目の後ろに黒い斑 嘴:赤色で先端が黒 足:赤色 翼の先端:黒色 |
| 声 | しわがれた声。 餌場や繁殖地で騒がしい “ridibundus“は「鳴き声が笑うような」の意 |
| 分布 | フィンランド南部(夏) 海岸沿い(一年中) |
| 日本の分布 | 日本全国(冬) |
| 備考 | 小型のカモメ |
Kalalokki:カモメ Larus canus

| 名称 | 芬名:Kalalokki 英名:Common Gull 和名:カモメ 学名:Larus canus |
| 全長 | 38 – 44cm (ハトより大きい。カラスより小さい) |
| 色 | 頭:白(目が黒い) 嘴:黄色(薄い暗色班があることも) 足:黄色 翼の先端:黒+白い斑点 |
| 声 | 甲高い “kiaa” 猫のような “kliee” |
| 分布 | フィンランド全土(夏) 海岸沿い(一年中) |
| 日本の分布 | 九州以北(冬) |
| 備考 | 目が黒いのは、ヨーロッパ個体だけかも? (日本の図鑑と記述が違う) |
Selkälokki:ニシセグロカモメ Larus fuscus

| 名称 | 芬名:Selkälokki 英名:Lesser black-backed Gull 和名:ニシセグロカモメ 学名:Larus fuscus |
| 全長 | 52 – 67cm (カラスより大きい) |
| 色 | 頭:白 嘴:黄色(赤い斑あり) 足:黄色 翼の先端:黒+小さな白い斑点 |
| 声 | セグロカモメより低い声 |
| 分布 | フィンランド南部(夏のみ) |
| 日本の分布 | なし |
| 備考 | 背中の色が濃いめ “fuscus” は「黒ずんだ」 |
Harmaalokki:セグロカモメ Larus argentatus

| 名称 | 芬名:Harmaalokki 英名:Herring Gull 和名:セグロカモメ 学名:Larus argentatus |
| サイズ | 55 – 67cm (カラスより大きい) |
| 色 | 頭:白 嘴:黄色(赤い斑あり) 足:薄いピンク色 翼の先端:黒+白い斑点 |
| 声 | 長く響く “aaouu” 重々しい “カカカ”と笑うような声 |
| 分布 | フィンランド南部(通年) フィンランド北部(冬) |
| 日本の分布 | 日本全国(冬) |
| 備考 | ニシセグロカモメより背中が薄い “argentatus” は「銀で飾られた」の意 |
Merilokki:オオカモメ Larus marinus

| 名称 | 芬名:Merilokki 英名:Great black-backed Gull 和名:オオカモメ 学名:Larus marinus |
| サイズ | 64 – 78cm (カラスより大きい) |
| 色 | 頭:白 嘴:黄色(赤い斑あり) 足:薄いピンク色 翼の先端:黒+白い斑点 |
| 声 | セグロカモメより野太く、荒々しい声 |
| 分布 | フィンランド南部(夏のみ) |
| 日本の分布 | なし |
| 備考 | フィンランドカモメ界で最大 背中が一番黒い |
まとめ
カモメの各部位の色を一覧にしました。困った時は、これを使って、本物と見比べてみてください。
| ヒメカモメ | ユリカモメ | カモメ | ニシセグロカモメ | セグロカモメ | オオカモメ | |
| 頭 | 黒 | 白 | ||||
| 嘴 | 黒 | 赤 | 黄 | |||
| 嘴の斑 | なし | 黒 | なし | 赤 | ||
| 翼の先 | 白 | 黒 | 黒+白斑 | |||
| 足 | 赤 | 黄色 | ピンク | |||
| 背中&翼 | 淡い灰 | 灰色 | 淡い灰 | 濃い灰 | ||
| 全長 | 小 | 中 | 大 | 超大 | ||
カモメ写真で、種を同定してみよう!
私が撮った写真の中で、カモメが写っているものを載せてみました。
クイズ:写真に映っているカモメの種類はなんでしょう?
この写真は、フィンランドのヘルシンキの公園で撮ったものです。
この写真に映っているのは、なんという種類でしょうか?

写真を見ると、2種類の鳥がいるのがわかるでしょうか。
正解1:飛んでいる個体に注目
見づらいかもしれないので、ズームしてみます。

これでわかりやすくなったはず。
こちらのカモメは、黒い頭で、黒と白の境が斜めに頭を横切っています。嘴は赤色で、先端は黒く、足は赤色。
これが当てはまるのは、1種類だけです。
というわけで、正解はユリカモメ(Naurulokki Larus ridibundus)。
正解2:可愛いカモメやなあ

こちらのカモメ。画質荒いですが。
頭は真っ白。嘴は真っ黄色(班なし)。目は黒そう。足は黄色っぽい色。ユリカモメと同じくらいの大きさ。
正解は、カモメ(Kalalokki Larus canus)です!
フィンランドで稀に見られるカモメ
Isolokki:シロカモメ Larus hyperboreus
フィンランド語の名前の通りに大きく(Iso)、日本語の名前の通りに白いカモメです。
一番の特徴は、翼の先端が白いこと。

写真で見ると、尾っぽの方が真っ白です。
よく似たカモメに、大西洋寄りの北極海でよく見られるアイスランドカモメ(Grönlanninlokki Larus glaucoides)というのがいますが、全体的にシロカモメより小さいです。
シロカモメ 62 – 68 cm VS. アイスランドカモメ 52 – 60 cm
また、アイスランドカモメは、フィンランドではほぼ見られません。
Pikkukajava:ミツユビカモメ Rissa tridactyla

ミツユビカモメ(Pikkukajava Rissa tridactyla)です。海の上か崖っぷちにいることが多いので、フィンランド沿岸で目にする機会は少ないかもしれません。
ぱっちり黒目で可愛いカモメです。足の色は黒。後ろ指が退化して、指が3つに見えることが、名前の由来です。カモメ科ミツユビカモメ属で、普通のカモメとは少し遺伝的に離れています。
おまけ:ウミネコ Larus crassirostoris
カラスよりちょっと小さいかなあ。
足は黄色。
尾羽に黒い帯。
ウミネコです。

「ミャーミャーと鳴くからウミネコ」という話が広まっているのか、カモメ界では、知名度の高いウミネコ。
しかし、残念ながら、ウミネコは、東アジアにしかいません。フィンランドで「ミャーミャー」鳴いているとすれば、ウミネコではなく、カモメやユリカモメなどの他のカモメです。間違えないようにご注意ください。
(私には「ミャーミャー」に聞こえないので、よくわかりませんが……\( ᐙ )/)
参考文献
- “Suomen ja Euroopan linnut” Juha Laaksonen & Hannu Jännes 1998(2014年版)GUMMERUS
- 『カモメ識別ハンドブック改訂版』氏原巨雄・氏原道昭著 2010 文一総合出版
- 『山渓ハンディ図鑑7 新版日本の野鳥』叶内拓哉・安部直哉・上田秀雄著 2014 山と渓谷社


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