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こんにちは。ズッキーです。
以前、クリスマスのフィンランドの街を歩いていたときに、建物の窓に綺麗な星の飾りが下げられていることに気がつきました。

私はなんとなく目を惹かれて、片っ端から写真を撮って歩きました。
建物によって、飾っている星の形が違っていて、どんなデザインの星が飾られているのかを見るのが楽しくなったからです。一緒にいた友人はこれっぽちも興味を示さなかったので、友人そっちのけで一人、星の撮影に勤しみました。
最近では、日本でも飾られることがありますが、当時はあまり目にしませんでした。
そんなこんなで、この星飾りの存在が気になっていたので、ふと思い立って、調べてみることにしました。どうやらこの星飾り、フィンランド語で “Adventti tähti” 、スウェーデン語では “Julstjärna” と呼ぶようで、元は、19世紀のドイツの風習に由来するそうです。
詳しくみていきましょう!
基本情報
この星飾りは何という名前?

フィンランドでは、フィンランド語でAdventti tähti (「アドヴェントの星」の意)、あるいはスウェーデン語で Julstjärna (「クリスマスの星」の意)と呼ばれています。アドヴェントとは「キリストの降臨」を意味する言葉です。
クリスマスは、キリストの誕生日とされている日です。このクリスマス直前の4回の日曜日を第一アドヴェント(待降節第一主日)、第二アドヴェント(待降節第二主日)、……と呼びます。
ドイツやオーストリアでは、元々、この第一アドヴェントの前日の土曜日か、そのまた前日の金曜日に、クリスマスツリーの点灯1を行います。
なので、わかりやすくいうと、アドヴェントは、クリスマスまでのワクワク期間を指します。なので、英語では、この星飾りをそのままアドヴェントスターと呼びます。
そして、この星飾りが生まれたドイツでは、 Moravian Star や Herrnhuter Stern などと呼ばれています。
では、なぜクリスマスにこの星飾りが飾られるのでしょうか。
それは、星がキリストを象徴するものだからです。
キリスト教における星の意味ベツレヘムの星

なぜ、星がキリストを象徴するものとして扱われるかというと、キリストが星に祝福されたかのように、世界に生まれたからです。
『新約聖書』のマタイによる福音書には、東方の三博士が星に導かれ、キリストが生まれたばかりのベツレヘム(Bethlehem:現在のパレスチナ自治区)の岩屋を訪ねた、という話があります。実際、キリストが生まれた紀元前5年ごろ2には、彗星がベツレヘムの上空に現れたと考えられています。
この出来事が由来となって、ベツレヘムの星はキリストを象徴するものとされました。
そのため、キリストの生誕を祝うクリスマスでは、ベツレヘムの星を象った飾りが飾られます。クリスマスツリーのてっぺんに取り付ける星もこれを模したものです。「世の光」たるキリストとの相性は抜群です。
いつからいつまで吊るすか?

伝統的には、アドヴェントスターは、アドヴェントの第一日曜日から、1月6日の公現祭(東方の博士がキリストに拝礼した日)まで飾ります。
誕生の歴史:なぜドイツの教会から北欧へ?
星の飾りの起源
星の飾りは、19世紀半ばドイツのモラヴィア教会の寄宿学校で生まれました。
当時、モラヴィア教会は、アフリカ、アジア、アメリカ、ヨーロッパの各地に宣教師を派遣していました。宣教師たちは、自分の子供に高いレベルの教育を受けさせるために、ある年齢に達するとドイツに子供を帰して、教会の寄宿舎学校に入れていました。
あるとき、ドイツのHerrnhuterにある寄宿舎学校で、数学(幾何学)をより理解できるようにと、授業で星を生徒に作らせ、教室に飾りました。このキリストや聖書の物語を象徴する星で、クリスマスに家族と会えない寂しさを紛らわしていたそうです。これが、家に持ち帰られ、クリスマスに星を飾る習慣に発展しました。
この星飾りは、教会の名前から、モラヴィアン・スター(Moravian Star)と呼ばれています。北欧のアドヴェントスターとは異なり、ウニみたいにトゲトゲです。
数学の授業が元になっているなんて、面白いですよね!
ドイツから北欧へ
この星飾りが北欧にどのように伝わったかは、定かではありません。
確かなことは、スウェーデンで星飾り(Julstjärna)が飾られるようになったのが1923年からで、1930年代に次第に一般的に広まっていったということです。冬に日が極端に短くなる北欧では、家の中を明るくするために、この星の飾りが取り入れられるようになったと考えられます。フィンランドでもスウェーデンに遅れる形で伝わったのでしょう。

この風習が広まったことには、スウェーデンで、ロウソクの光でクリスマスを祝う土台があったことも影響していると思います。その土台というのは、18〜19世紀に始まったとされるルシア祭です。ルシア祭は、12月13日に、白い服を着た少女がロウソクを立てた冠を戴き、行進するお祭りです。ルシア(Lucia)の語源はluxで、ラテン語で「光」を意味します。つまり、冬の最も暗い時期に少女たちがロウソクを灯して、希望の光をもたらすお祭りなのです。

星飾りは、単なるキリストの象徴としてだけでなく、ルシア祭の光の延長線上にあり、家の中に光と温もりを呼び込むための文化的ツールとして受け入れられたのではないかと考えられます。
宗教的色合いの強い元のドイツのものと比べて、暗い冬を明るく照らすという文化的要素が強いのではないかと思います。
星のデザインと現代への定着
素材とデザイン

伝統的には、アドヴェントスターは、キリストの血を表す赤と純潔を表す白で着色されます。
素材は、紙製、木製、ガラス製、プラスチック製などがあります。個人的に好きなのは紙製のものです。
現在では、IKEAや北欧雑貨店、通販などでも手に入ります。
(私もめちゃくちゃ欲しいのですが、我が家はまだ飾るスペースがありません。他の家に飾ってあるのを見て、和んでいます)
また、紙のアドヴェントスターは、手作りで子供と一緒に作れるので、一緒に作ってみるのも良いと思います(ペーパークラフトで作るモラヴィアン・スターのPDFファイルからも作れます)。
旅で楽しむ星飾り

フィンランドやスウェーデンの街では、クリスマスマーケットが開かれる12月になると、この星飾りが各家庭の窓やお店のショーウィンドウに飾られていて、とても綺麗です。

お店によって、一軒一軒デザインが違うので、見ていてすごく楽しい気持ちになります。
現地では、HelsinkiのStockmannなどのデパートに売られているので、探してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
それでは、内容を振り返りましょう。
- クリスマスの星飾りはモラヴィア教会の寄宿舎学校で、数学の教材として生まれた!
- キリストを象徴する星は、親と離れた子供達にとって希望の光となった
- 北欧では、暗い冬を乗り切るための、照明インテリアとして普及
- フィンランドではAdventti tähti、スウェーデンではJulstjärnaと呼ばれる
これで、フィンランドやスウェーデンで見られる星の飾りについて、詳しくなれましたね。冬の北欧で、少し暗い気持ちになった時は、星を見上げて、「キリストが生まれたときの星、めっちゃ綺麗やん!」とか考えるだけで、少し明るい気持ちになれるのではないでしょうか。
冬は、日が短くて暗い気持ちになることもありますが、家で星を輝かせて、乗り切りましょう!
参考文献
- Herrnhuter Sterne “History of the origins” (https://www.herrnhuter-sterne.de/en/Entstehungsgeschichte.html)2025.12.10アクセス
- 『クリスマスの文化史《新装版》』若林ひとみ著 2010 白水社
- swedishfood.com “Advent in Sweden”(https://www.swedishfood.com/advent)2025.12.10アクセス
- 『よくわかるクリスマス』嶺重淑・波部雄一郎著 2014 教文館
脚注
- クリスマスツリーのロウソク飾り
今では、クリスマスのライトアップは電気で行われているイメージですが、元々はロウソクを飾りつけていました。クリスマスツリーのロウソクは、マルティン・ルターが森の中で煌めく星を見て「めっちゃキレイやん!」と思ったのがきっかけで、飾られるようになったと言われています。そのため、風習としては、新教(プロテスタント)側のものです。 ↩︎ - キリストの生まれた年
西暦はキリストが生まれた年を基準として、数える暦です。しかし、キリスト紀元を提唱したディオニシウス・エクシグウスという人が計算を間違えたため、実際にキリストが生まれた年は、紀元前4〜5年というのが定説です。どこかのタイミングで直してもいいはずなのに、「キリスト教って意外とおおらかなんだなあ」と感じるエピソードで、私は好きです。 ↩︎



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